ヘナは昔から髪の毛の染料や治療薬として使用されてきた自然由来の植物です。
白髪染めにも使用できるヘナは様々な魅力がありますが、種類も多いため選ぶのに迷ってしまう方も少なくありません。
こちらでは、ヘナで白髪染めを行うメリットから実際の染め方、商品を選ぶ際の注意点をまとめていきます。
ヘナを使った白髪染めが気になっているという方はぜひ参考にしてください。
ヘナの魅力とは
ヘナは自然由来で身体にやさしいということを聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
ヘナは昔から髪の染料としてだけでなく、やけどや皮膚炎などの怪我の治療として、あるいは儀式としてのお祭を行う際に装飾するタトゥーとしても用いられてきました。
ヘアカラーや白髪染めにも使用できるヘナには様々な魅力がありますが、まずは具体的なメリットをご紹介していきます。
自然由来の成分で身体と環境にやさしい
ヘナはミソハギ科の植物で、インドや北アフリカなどの乾燥した地域が主な原産です。
インド大陸の伝統医学であるアーユルヴェーダでは、体調を整える働きがある代表的なハーブとしても使われており、様々な効能をもたらします。
白髪染めとしてのヘナカラーは化学薬品を使用していない商品が多く、アレルギー体質の方でも安心して使用できるのが特徴です。
草木染めと同様に、ヘナカラーはヘナ本来が持つ天然の色素で染める仕組みなので、頭皮や髪にやさしく染められます。
一般的な白髪染めとして多く出回っている一剤と二剤を混ぜ合わせて使用するタイプのカラー剤には、アレルギー症状を引き起こすリスクのある化学薬品が使用されていることがあり、決して安心・安全とは言えません。
ヘナの中にも様々な商品があり、人によってはヘナによる植物アレルギーでかぶれなどが出てしまうこともありますが、化学薬品による影響に比べればかなり低リスクです。
また、多くの白髪染めに含まれる化学物質を廃棄、排水することは環境問題の原因となる可能性も指摘されています。
その一方でヘナは自然の素材なので、排水しても環境への負担が少ないことも魅力の1つです。
トリートメント効果によって髪の健康を保てる
ヘナに含まれるローソニアという成分にはトリートメント効果があり、髪にツヤとコシを与えてくれます。
そのため、ヘナを使うことで単に白髪を染めるだけでなく、髪の美しさも維持する効果が期待でき、より若々しい見た目を保つことができるのもメリットです。
また、頭皮の血行改善や毛穴の汚れを取り除く作用があるなど髪の毛の健康を根本から改善してくれる効果もあるため、白髪をこれ以上増やさないという対策も可能になるでしょう。
年齢とともに白髪が増えていくのは自然で仕方のないことではありますが、丁寧にケアされた髪の毛は清潔感があり素敵な印象を与えることができます。
一般的な白髪染めは、たった1度のカラーリングでも髪にかなりのダメージを与えてしまいますが、ヘナの場合は反対に染めることで髪の状態が良くなります。
むしろ、使い続けることより頭皮環境が改善されていくのもヘナの魅力です。
植物による自然の香りでリラックス効果も
ヘナには「い草」のようなナチュラルな香りがあり、カラーリング中も癒しを与えてくれるのも他の白髪染めにはない特徴です。
人工的な香料が苦手という方でもヘナであれば自然な香りでリラックス効果が得られるため、毎回のカラーリングがリフレッシュタイムにもなります。
ただし、逆にこのようなヘナ独特の香りが苦手という方も中にはいらっしゃるので、使用する前にはご自身の好みに合っているか確認するようにしましょう。
基本的なヘナの染め方
ヘナを使った白髪染めは、始めにご自身でヘナペーストを作ってから髪に塗っていくのが一般的です。
やり方は簡単ではありますが、他の白髪染めとは少し違った染め方になるため、きれいに仕上げるためにも正しい染め方を確認してから行うのがオススメです。
商品によって若干内容は異なりますが、ここでは基本的なヘナの染め方を解説していきます。
パッチテストは毎回
身体にやさしいと言われる自然由来のヘナとはいえ、必ずしも肌荒れやアレルギーを起こさないとは限りません。
多くの商品には化学薬品が含まれておらず、化学物質によるアレルギーのリスクは少ないものの、敏感肌の方などは植物によるアレルギー反応が出る場合もあります。
また、毎回同じ商品を使っていたとしても、その時の体調や体質の変化などによって思わぬ頭皮トラブルを引き起こす可能性もあるので、パッチテストは必ず毎回行うようにしましょう。
アレルギーなどの反応は、すぐに出るものもあれば数日経過してから出てくることもあるので、使用する3日前を目安に行うのがポイントです。
パッチテストの手順
パッチテストは、初めに少量のヘナの粉末でペーストを作ってから行います。
ペーストを腕の内側や耳の後ろなど、目立たないところに綿棒などで塗布し、塗布した部分を絆創膏やガーゼなどで覆い、そのまま48時間放置。
放置時間が終わるまでの間、30分経過後と48時間経過後に肌の様子をチェックして、かぶれやかゆみ、赤みなど異常がないかをチェックしましょう。
異常が見られた場合はすぐにペーストを洗い流し、使用をストップしてください。
染める前の髪のコンディションを整える
染める前には、シャンプーをして頭皮や髪の毛の汚れや油分、整髪料を落とします。
髪が汚れたまま染めてしまうと染まりが悪くなったり、仕上がりにムラができたりすることがあるので、直前に髪の状態を整えておくことが大切です。
シャンプー後は、頭をタオルで巻いて髪の毛が乾かないように保湿をしてください。
この時にリンスやトリートメントをすると染色効果が落ちてしまうため、使用は避けましょう。
ヘナペーストを作る
商品に指定された量のヘナの粉末とお湯をしっかり混ぜ合わせて、ヘナペーストを作ります。
お湯は少しずつ加えていき、髪に塗りやすい硬さに調整していきましょう。
適切なお湯の量は、ヘナの種類やその時の気温・湿度によっても変わります。
そのため、混ぜ合わせていく過程であまり水っぽくなりすぎないように、マヨネーズのような硬さを目安にするのがポイントです。
ヘナペーストを髪に塗布していく
ヘナペーストを作ったら、ペーストが乾かないうちにすぐ髪に塗っていきましょう。
まずは頭の中央から全体へ、まんべんなく塗っていきます。
この際に髪をとかしすぎるとペーストが落ちてしまうだけでなく、摩擦で髪が傷んでしまうこともあるので、やさしくペーストを乗せていくような感覚で行いましょう。
全体にヘナペーストを塗り終えたら、改めて生え際や白髪が目立つ部分に塗布するときれいに仕上がります。
保温して放置時間をとる
ヘナペーストを塗り終えた頭をラップで覆い、ドライヤーなどで2、3分温めます。
さらに、ラップの上からタオルを巻くか、シャワーキャップやヒートキャップなどを使用するとより効果的です。
放置時間は基本的には商品に記載された時間を守るのがオススメですが、髪の毛の太さや柔らかさによって調節しても構いません。
ヘナは放置時間をたっぷりと取ることが大切なので、待ち時間はゆっくり温かいお茶などを飲みながら過ごしましょう。
リラックスできるだけでなく、身体を温めることで染まりを良くする効果もありますよ。
シャンプー&トリートメント
放置時間が経過したら、ヘナペーストを流していきましょう。
まずは、シャンプーをする前にぬるま湯でしっかりペーストを洗い流しておくと色の定着力がアップします。
ぬるま湯で十分にペーストを落としたら、その後シャンプーを付けてしっかり洗い流していきます。
シャンプーを流した後は、トリートメントをなじませて終了です。
ヘナの選び方と注意点
ヘナカラーにも様々な種類の商品があるため、興味があってもはじめはどのようなタイプを選べば良いのか迷ってしまうのではないでしょうか。
ここではこれからヘナを取り入れようと考えている方のために、良質なヘナの選び方と注意点をご紹介します。
以下のチェックポイントを参考に、ご自身に合ったヘナ選びの参考にしてみてください。
成分を確認する
ヘナカラーと表記されている商品でも物によっては化学薬品が含まれたヘナもあり、アレルギーのリスクがあります。
また、仮にヘナ100パーセントであっても原産地がわからないものや、質が保障されていないヘナの場合は十分な効果を得られないこともあるため、商品を選ぶ際には成分をしっかり確認しておくことが重要です。
特に日本語表記のない安価なものは海外製で輸出用に作られていないため、鮮度が悪かったり不純物が混じったりしている可能性が高くなります。
輸入されたものを使用すること自体は問題ありませんが、しっかり品質チェックされたものである必要があります。
安心して使用するためにも、信頼できるメーカーのできる限り良質なヘナを選ぶようにしましょう。
カラーバリエーション
ヘナ自体の色素はオレンジ系の1色のみですが、ヘナを使用した白髪染めの多くはいくつかのカラーバリエーションを揃えています。
商品によってバリエーション数は異なるので、ご自身の白髪の量や地毛の色、好みの色に合ったものを選びましょう。
基本的に、ヘナ100パーセントの場合はヘナ自体が持つオレンジ系に染まります。
そのため、白髪が多い方は全体的に明るいトーンに仕上がり、白髪の生え方によってはアクセントカラーとして楽しむこともできるでしょう。
ヘナは染めた直後は明るくなりますが、その後も少しずつ濃い色に染まっていくのが特徴です。
染めてから1週間ほど経過すると落ち着いたブラウン系の色が出て徐々に馴染んでくるので、この点も踏まえて選んでみてください。
地毛が黒に近い方や、暗い色に仕上げたいという場合には、インディゴが配合されたタイプを選ぶのがオススメです。
インディゴもヘナと同様に自然由来の成分ですが、ブルー系の色素を持つ植物で、インドや東南アジアなどの高温多湿な地域が原産です。
古くからジーンズの染料として使われてきたことでも有名なので、馴染みのある名前かもしれません。
このインディゴによるブルーがヘナのオレンジを抑えるので、よりナチュラルで落ち着いた雰囲気に仕上げることが可能となります。
インディゴにはポリフェノールが含まれており、ポリフェノールの血行促進作用によって育毛効果が期待できるとも言われています。
白髪ケアだけでなく、薄毛予防にもなるのは嬉しい効果ですね。
トリートメント効果
ヘナにはトリートメント効果があることをはじめにご紹介しましたが、ヘナの種類によっては染めた後の髪の毛に特有のきしみが出ることがあります。
きしみが気になる場合は、トリートメント効果がある成分が含まれている商品を選ぶことで髪の指通りが良くなるでしょう。
もちろん、含まれるトリートメント成分も自然由来かどうかチェックすることもお忘れなく。
おすすめのヘナカラー10選
頭皮や髪への負担をなるべく抑えて白髪染めができるヘナについてご紹介しました。
市販されているヘナカラーには様々な種類があり、中にはダメージを与える可能性がある商品もあるため注意しなければなりません。
アレルギーなどのリスクを軽減するためには、ヘナ100パーセントのタイプや、自然由来の成分だけで作られた商品を選ぶことがポイントです。
ここからは上記で解説したことを踏まえて、おすすめの白髪染めを紹介していきます。
気になった商品がありましたら、詳細ページ、または公式サイトのリンクがございますので、是非ご覧ください。
商品名 | 木木と(もくもくと) | ナイアード | パーフェクトハーブヘナ | グリーンノートヘナ | シムシムジャパン | マックヘナ | マハラニヘナ | ハナヘナ | ラジャスタンヘナ | テンスター |
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おすすめ度 | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
価格 | 3,600円 | 1,100円〜 | 1,980円〜 | 1,650円〜 | 1,430円〜 | 1,100円〜 | 1,750円〜 | 1,705円〜 | 1,000円 | 1240円〜 |
染める時間 | 30分 | 40分 | 40分〜90分 | 45分 | 30分 | 30分 | 60分 | 60分 | 60分 | 45分 |
カラー バリエーション |
7色 | 2色 | 5色 | 8色 | 4色 | 7色 | 1色 | 5色 | 2色 | 4色 |
木木と (もくもくと)
おすすめ度 | ★★★★★ |
---|---|
価格 | 3,600円 |
タイプ | ヘナ |
染める時間 | 30分 |
カラー バリエーション |
7色 |
木木と(もくもくと)とは?
木木と(もくもくと)にはヘナの中では珍しい金茶というカラーがあります。
そのため、明るい色をキープしたいけど髪のダメージが気になる、といった方にとてもオススメです!
白髪を染めるだけでなく、髪にハリ・ツヤ・コシを与えてくれるため、若々しい髪になることができます。
また、一緒に提供されている「ヘナすくい」を使う事で、簡単にヘナを塗布することができ、初心者の方でも簡単に染められるように工夫されています。
ナイアード
おすすめ度 | ★★★★ |
---|---|
価格 | 1,100円〜 |
タイプ | ヘナ |
染める時間 | 40分 |
カラー バリエーション |
2色 |
ナイアードとは?
ナイアードは、ヘナ100%とヘナ+ハーブ、ヘナ+木藍の3種類があり、用途に合わせた使い方ができます。
白髪染めとはいえ明るめの色でおしゃれに染めたい人、常に染めることになるので手間や費用がかからないこと、白髪染めはしたいけどとにかく化学的な有害物質は避けたい人などにオススメです。
ヘナを使いたいけど、オレンジ色に染まるのは嫌だ!という方には特にオススメです。ヘナ+木藍を使うことで藍色の天然成分効果により、暗めの落ち着いた色に染めることができます。
パーフェクトヘナ
おすすめ度 | ★★★★ |
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価格 | 1,980円〜 |
タイプ | ヘナ |
染める時間 | 40〜90分 |
カラー バリエーション |
5色 |
パーフェクトヘナとは?
パーフェクトヘナは、その名の通りかなり質の高い原料を使用しています。
不純物を取り除くことで高純度で発色の良い商品となっています。一般的なヘナは化学肥料や農薬が含まれていることがありますが、パーフェクトヘナはオーガニックヘナを使用しているため安全です。
そのため、敏感肌の方にもオススメです。
グリーンノートヘナ
おすすめ度 | ★★★★ |
---|---|
価格 | 1,650円〜 |
タイプ | ヘナ |
染める時間 | 45分 |
カラー バリエーション |
8色 |
グリーンノートヘナとは?
グリーンノートヘナは日本で初めてオーガニック認証を取得したヘナ商品です。
通常のカラー剤はジアミンをはじめとした化学物質が含まれていることがあり、アレルギーを起こしてしまう方が多いです。髪へのダメージを気にしている方には特にヘナをオススメします。
髪質が改善されたとの口コミも多く、ユーザーからも満足されているヘナ商品です。
シムシムジャパン
おすすめ度 | ★★★★ |
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価格 | 1,430円〜 |
タイプ | ヘナ |
染める時間 | 30分〜40分 |
カラー バリエーション |
4色 |
シムシムジャパンとは?
シムシムジャパンは、マダムヘナとミラクルヘナの2種類の商品があります。
植物成分100%のマダムヘナと、自然界では珍しいミネラルを吸収してくれるフルボ酸を配合したミラクルヘナに分かれており、どちらも良い効果がたくさんあります。
気軽に染めることができるシェイカータイプがあるのも特徴です。
マックヘナ
おすすめ度 | ★★★★ |
---|---|
価格 | 1,100円〜 |
タイプ | ヘナ |
染める時間 | 30分〜40分 |
カラー バリエーション |
7色 |
マックヘナとは?
マックヘナは白髪をオレンジに染めるのではなく、人気の高いナチュラルブラウンやダークブラウンに染めることができます。
髪へのダメージを修復しつつ、ハリとしなやかさを与えてくれます。
また、1,000円程で購入できるので、白髪染めにあまりお金を使いたくない方にはオススメです。
マハラニヘナ
おすすめ度 | ★★★ |
---|---|
価格 | 1,750円〜 |
タイプ | ヘナ |
染める時間 | 60分 |
カラー バリエーション |
1色 |
マハラニヘナとは?
マハラヒヘナは、インドの職人が機械ではなく石臼でヘナを粉末化することで、心地よい使い心地や高いトリートメント作用があります。
化学物質を使用せずに、ヘナの天然成分のみで作られています。
また、真空パックで包装しているため、鮮度を保ったまま使用することができる点が特徴です。
ハナヘナ
おすすめ度 | ★★★ |
---|---|
価格 | 1,705円〜 |
タイプ | ヘナ |
染める時間 | 60分 |
カラー バリエーション |
5色 |
ハナヘナとは?
ハナヘナは、機械による作業に任せるだけでなく、人の手で不純物を除去しています。
そのため、純度の高いヘナを作ることができ、色素濃度や品質を担保しています。
また、ヘナは熱に弱いため機械に任せるとどうしても劣化することがありますが、ハナヘナは人の手で作業することにより、熱による劣化も抑えています。
ラジャスタンヘナ
おすすめ度 | ★★★ |
---|---|
価格 | 1,000円〜 |
タイプ | ヘナ |
染める時間 | 60分 |
カラー バリエーション |
2色 |
ラジャスタンヘナとは?
カラーバリエーションは、ブラウンとオレンジの2色ですが、インドのラジャスタン州のヘナを使用しているため新鮮な状態で提供しています。
防腐剤などの化学物質が含んでいないため、頭皮を洗浄しつつ皮膚を引き締める効果もあります。
他の商品は、ヘナ以外にも準備するものが多かったりしますが、ラジャスタンヘナはラップさえあれば保湿させつつ染めることができます。
テンスター
おすすめ度 | ★★★ |
---|---|
価格 | 1,240円〜 |
タイプ | ヘナ |
染める時間 | 45分 |
カラー バリエーション |
4色 |
テンスターとは?
テンスターは、ファインヘナ、カラートリートメント、カラーシャンプーの3種類があります。
カラートリートメントにもヘナが含まれており、一般的なカラートリートメントと比べるとジアミンや漂白剤が含まれていないため、より安全に染めたい方にはオススメです。
ただ、トリートメントである以上、ヘアカラー剤と比べると染毛力は劣るため、しっかりと染めたい方には不向きです。