白髪染めの頻度が高いと髪や頭皮にダメージが残るだけでなく、健康に被害を及ぼすリスクもあります。
今回は、高頻度の白髪染めのリスクや年代別の適切な頻度を解説していきます。
白髪染めの頻度を下げるためにできることや、高頻度で染めても問題ない白髪染めを紹介するので参考にしてみてください。
白髪が伸びる速度は?
白髪が伸びる速度は1ヵ月に1㎝~1.5㎝ほどです。
どのくらい伸びると白髪が気になるのかは人によって異なりますが、白髪染めをしても1ヵ月くらい経過するともみあげや前髪、髪の表面に新しい白髪が目立つようになります。
白髪はケラチンタンパクを多く含み、黒髪よりも太く硬い印象を与えてしまうため、伸びると目に留まりやすいのです。
過度な白髪染めが良くない理由
白髪染めを高頻度で行うと、髪や頭皮だけでなく、健康被害を引き起こす可能性も上がるので気をつけなければなりません。
以下の3点は、白髪染めのやり過ぎによって考えられるトラブルです。
アレルギーを起こす可能性が上がる
白髪染めの多くにはジアミンと呼ばれるアレルギー物質が含まれています。
ジアミンアレルギーが発症する原因は「生まれつきの体質」と「個人の許容量を超えたジアミンを摂取すること」です。
そのため、高頻度で白髪染めをすると体内にジアミンが蓄積され、許容量を超えることでアレルギー反応を起こす可能性があります。
ジアミンアレルギーの主な症状はかゆみ、痛み、かぶれのほか、ひどい場合はめまいや呼吸困難も発症するので注意が必要です。
アルカリカラーは髪と頭皮へのダメージが大きい
多くの白髪染めはアルカリカラーと呼ばれており、アルカリ剤と過酸化水素を混ぜて化学反応を起こすことで着色します。
このアルカリ剤と過酸化水素はパワーが強く、髪や頭皮に塗るだけで大きなダメージを与えてしまうのが難点です。
白髪染め後に頭皮に薬剤が残っていたり、傷んだ髪を放置したままでいたりすると、頭皮のかゆみやフケ、髪のパサつきなどのトラブルにつながります。
また、頭皮の状態が悪いと育毛サイクルが崩れて薄毛や抜け毛が加速することもあるので気をつけましょう。
白髪染めが白髪を増やす
白髪染めを使用した後、髪や頭皮に残った薬剤は活性酸素を発生させます。
活性酸素は基本的に体内に侵入した細菌から体を守る働きをしますが、過剰に体内に溜まり過ぎると体の細胞を傷つけ、老化を加速させる原因になるのです。
そのため、活性酸素が頭皮に溜まり過ぎると、髪を着色するメラノサイトの機能が弱まり、白髪が増える恐れがあります。
白髪染めによって白髪が増えることについての詳しい記事はこちらをご覧ください。
適切な白髪染めの頻度
理想的な白髪染めの頻度は1ヵ月半~2ヵ月に1回程だと言われています。
理由としては以下の2つです。
- 白髪の伸びる速度(1ヵ月で約1.5㎝)から考えると、大体2ヵ月くらいたつと目立つため
- 肌は30日~40日で古い皮膚が剥がれて新しい皮膚が生まれるので、頭皮の健康を維持するためにはこの頻度がちょうどよい
とはいえ、白髪の量や目立ち方は年齢によっても変わるので、2か月も待てないという方もいるでしょう。
続いては、年代別に適切な白髪染め頻度について説明していきます。
20代の白髪染め頻度
20代は比較的白髪の量が少ないので、2ヵ月に1回全体染めを行うくらいでも十分な人がほとんどです。
まだまだ明るいカラーで染めたい方や、白髪の量が少ない20代は、白髪染めを使用するのではなくファッションカラーで染める人も多くいます。
ファッションカラーは白髪染めほどしっかり白髪が染められませんが、薄めのグレー系カラーで白髪をぼかしたり、ブリーチを利用したダブルカラーでハッキリとした色味に変えることができるので、髪色の選択肢を狭めたくないという方にはおすすめの方法です。
20代の若白髪の染め方についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
30代の白髪染め頻度
30代はストレスや生活習慣の乱れだけでなく、20代よりホルモンバランスが崩れやすい影響で徐々に白髪が増えていきます。
白髪染めの頻度は全体染めであれば1ヵ月半に1度行う程度がおすすめです。
白髪の量が多い方は1ヵ月に1度の周期で全体染めと根元のリタッチを交互に行いましょう。
そうすれば、白髪染めによるダメージが蓄積されにくく、アレルギーの可能性も高まりません。
白髪がそこまで目立たないという方は、2ヵ月程度あけて白髪染めをしましょう。
40代の白髪染め頻度
40代になると、20~30代の頃よりメラニン色素の量が減少し、白髪量が増えて目立ちやすくなります。
白髪染めの頻度は約1ヵ月に1度、リタッチと全体染めを交互に行うのがおすすめです。
30代と同じく、途中でリタッチを挟むことにより髪や頭皮へのダメージをかなり軽減できます。
白髪の量が多く、そこまで気にならなければ2ヵ月に1度の全体染めでも問題ありません。
50代以降の白髪染め頻度
50代を超えるとメラニン色素がさらに減少し、白髪の量が増えて目立つ範囲も広がります。
白髪の量がかなり多く、白髪染めをしても1ヵ月もたないと感じる方は、2~3週間に1度の頻度でリタッチを2回、全体染めを1回と繰り返すのがおすすめです。
リタッチの回数を増やすことで髪全体や頭皮への負担を軽減できますが、20~40代よりは高頻度でダメージのリスクが上がるので、シャンプーやトリートメントでしっかりケアを行いましょう。
白髪染めの頻度を下げるためにできること
白髪染めによるリスクを回避するためには、白髪染めの頻度を下げなければいけません。
「できるだけ頻度を減らしたいけど白髪がすぐ目立って気になる」という悩みを抱えている方も多いでしょう。
続いては、目立つ部分の白髪をうまく隠して、白髪染めの頻度を下げることができる方法を紹介します。
白髪隠しで気になる部分を隠す
もみあげや前髪など狭い範囲の白髪や、少量の白髪が目立って気になる程度であれば、染めるのではなく、白髪隠しを使って目立たせないようにできます。
白髪隠しは白髪の上から色をつけることで、もとの髪色と白髪の色を馴染ませることができるアイテムです。
マスカラタイプやファンデーションタイプなどの種類があり持ち運びにも便利で、お出かけ先でふと白髪が気になったときでも簡単に隠せます。
水に弱く濡れると落ちやすいのと、広範囲に目立つ白髪を隠すのには向いていないので注意です。
白髪自体減らすことを心がける
白髪を隠す努力ではなく白髪を減らす努力も行いましょう。
髪の毛が成長する過程で、メラニン色素が生成され白髪が黒くなります。
つまり、頭皮の環境を整えメラニン色素が活発に生成されるようになれば、白髪を減らすことができるのです。
白髪を減らす効果的な方法は次の2つです。
地肌の環境を整える
地肌にダメージを与えると白髪が増えるだけでなく抜け毛の原因にもなります。
化学薬品が使われている白髪染め剤、パーマ液、シャンプーだけでなく、紫外線や頭皮からの汗なども地肌にダメージを与えます。
地肌の環境を整えるために、ヘアケア商品を見直しヘアケアだけでなく地肌のケアも行いましょう。
地肌のケアの方法は、次のようなものがあります。
- 低刺激のヘアケア商品に変える
- 紫外線対策として帽子を被ったりUVスプレーを使う
- 頭皮マッサージを行って血行促進を図る
生活習慣を見直す
白髪の原因のひとつにストレスがあるといわれています。
まずは、睡眠をしっかりとって規則正しい生活を心掛けましょう。
また、髪と地肌を健やかに保つためにはバランスのよい食事はもちろんのこと、髪によい食べ物を積極的に摂るとよいです。
具体的には、たんぱく質、亜鉛、ビタミン類を多く含む食品で、おもな食品には次のようなものがあります。
タンパク質 | 乳製品、肉類、魚介類、卵、大豆類 |
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亜鉛 | 牡蠣、海藻類、レバー、肉類 (赤身)、ナッツ類、大豆、ごま、ほうれん草 |
ビタミン類 | 肉類(赤身)、魚、大豆、ナッツ、緑黄色野菜 |
白髪を活かしたヘアデザインにする
白髪染めによって暗い色に染めるのではなく、白髪本来の明るさを活かしたヘアスタイルにすれば白髪が伸びても気になりにくいです。
たとえば、細かくハイライトを入れることで白髪を目立たなくする白髪ぼかしハイライトや、根元から毛先にかけてグラデーションカラーで染めて毛先の明るさに白髪を紛れさせる方法があります。
白髪は他の髪色とのコントラストが大きいほど目立ちやすいため、周りの色が明るめなら目立ちにくくなります。
もし全体を同じ色に染めたいのなら、黒よりも明るめの茶色などで染めるようにすると良いでしょう。
ダメージを気にせず頻繁に使用できる白髪染め
染めてもすぐに白髪が目立って気になってしまう方や、広範囲に目立つ白髪を染めるためにどうしても白髪染めの頻度が高くなってしまうという方には、高頻度で使用しても髪や頭皮にダメージを与えにくい白髪染めを使うことをおすすめします。
以下で紹介する3つは、成分内容が髪や頭皮にやさしいおすすめの白髪染めです。
木木と
ジアミンやアルカリ剤などの化学染毛剤を使用せず、ヘナという植物の葉から作ったカラー剤です。
植物アレルギーが起こりやすい体質でなければアレルギーの心配も少なく、髪や頭皮へのダメージもかなり軽減できるのが魅力です。
有効成分であるローソニアが髪全体をキレイに染めながら、頭皮の皮脂汚れを分解し、キューティクルを保護してくれます。
頻繁に使っても問題なく、ローソニアは髪のタンパク質に絡みついて着色するので色持ちが良く、高頻度で染める必要がなくなるのもオススメポイントです。
綺和美 白髪染めヘアカラートリートメント
こちらはトリートメントタイプの白髪染めで、毎日継続して使用することで徐々に髪が染まっていきます。
アレルギーの心配が少なく、22種類のボタニカルエキスが髪と頭皮にうるおいやツヤを与えて健康的な状態を維持できます。
KAMIKA 黒髪クリームシャンプー
こちらは毎日の継続使用で髪を染めるシャンプータイプの白髪染め。
ジアミンを含まないのでジアミンアレルギーの心配なく安心して使用できます。
また、アルガンオイルやオリーブオイルなどの天然由来成分が髪や頭皮にうるおいをあたえて乾燥を防ぐので、シャンプー1本でコンディショナー・トリートメント・白髪染め後のパサつきケア・頭皮クレンジングが同時にできるのがメリットです。
まとめ
過度な白髪染めによるリスクや適切な頻度、頻度を下げる方法について紹介してきました。
白髪染めの頻度はできるだけ下げて行うことが大切ですが、どうしても頻繁に染めたいならアレルギーの心配の少ないものや、髪と頭皮へのダメージが少ない白髪染めを選び安全に行いましょう。