数本の白髪であれば、ついつい抜いてしまいがちですが、白髪を抜くことは髪に大きな悪影響を及ぼします。
白髪を抜き続けると、髪質の悪化や毛根の萎縮、薄毛に繋がるなど取り返しの付かない事態になることもあります。
そこで今回は、白髪を抜くことのデメリットと、正しい白髪の対処法や予防法を紹介します。
白髪を抜き続けたらどうなる?
白髪を抜くことは、毛根や頭皮に大きな刺激を与えます。
その影響から、頭皮が炎症を起こしたり毛根が傷つき形が歪んでしまうなど、頭皮の状態や髪質が悪化する恐れがあります。
白髪を抜くことにより、毛根や頭皮にどのような影響があるか解説していきます。
白髪を抜くとはげるって本当?
「白髪を抜くとはげる」と噂されますが、これは事実です。
白髪を抜くことで毛根が傷ついたり、毛根が歪んでしまうと、その影響から健康的な髪が育ちにくくなります。
さらに白髪を抜き続けると毛穴がどんどん縮小していき、やがてその毛穴から毛が生えにくくなり、毛量が減っていくため薄毛になってしまう可能性が高くなってしまうのです。
白髪を抜くと黒くなる?
「一度抜いた白髪の後から黒い髪が生える」という噂もありますが、これは事実ではありません。
白髪は、栄養バランスの乱れやストレス、加齢など様々な要因が考えられ、生活習慣を変えることで改善が期待できます。
そのため一度白髪を抜いただけでは、生えてくる毛髪は黒くなりません。
むしろ白髪を抜くことで頭皮や毛髪にダメージを与えてしまうことから、白髪の症状が悪化してしまう可能性が高いです。
白髪を抜くメリットはある?
結論から言うと、白髪を抜くことにメリットはありません。
上記でご紹介しているようにデメリットの方が多いため、白髪を抜くことはできる限り控えるようにしましょう。
おすすめの白髪対処法
では白髪を抜かずにどういった対処をするべきなのでしょうか?
白髪を抜くこと以外にできる対処法は、主に2つです。
- 白髪を根元からカットする
- 白髪を染める
白髪を根元からカットする
白髪を抜くことを除いて最も手軽に行える白髪の対処法が、白髪を根本からカットすることです。
時間を掛けずに一瞬で白髪が目立たなくなるため、気になったときにすぐ対処できるのが特徴です。
また、白髪を抜くことは毛根にダメージを与えてしまいますが、白髪を切ることは毛根に影響を与えません。
しかし複数の白髪を1本1本カットするのは時間がかかってしまうので、白髪の数が多い人にはおすすめしません。
また時間がかかるだけでなく、白髪の切り忘れなどが発生することも考えられます。
白髪を染める
カットだけでは処理しきれないほど白髪の量が多い人や、白髪の切り忘れが心配な人には白髪染めがおすすめです。
白髪染めなら白髪がたくさんある人も一度に処理することができます。
白髪をなくしてカラーリングを楽しむことができるので、おしゃれやリフレッシュにもなるでしょう。
時間や手間は掛かってしまいますが、白髪染めをしっかり選べば髪へのダメージもある程度抑えることができます。
若白髪で悩む方にも「抜く」より「染める」方がおすすめでしょう。
白髪染めの選び方
仕事や家事育児で時間が無い方、美容院代を節約したい方には自宅でできるセルフカラーがおすすめです。
しかし、白髪には生え際など染めにくい部分があったり、色ムラが発生してしまったりと、セルフカラーを難しいと感じる方も少なくありません。
そんな方のために、白髪染めの選び方を紹介します。
白髪染めのタイプで選ぶ
白髪染めには、主に5つのタイプがあります。
それぞれ特徴が異なり、メリットやデメリットがあります。
タイプ | 特徴 |
---|---|
ヘアカラー |
一度のカラーでしっかりと染めることができる 染料が強いので色持ちが良い 薬剤が強いため髪へのダメージが大きい |
ヘアマニキュア |
髪の表面に着色させるので、髪へのダメージは少ない 紫外線から髪を守る効果があるが、色持ちはあまりよくないので定期的なメンテナンスが必要 頭皮についてしまうと着色してしまうので、根元ギリギリまでしか塗布できず、セルフでの使用は難しい |
カラーシャンプー |
普段のシャンプーに置き換えるだけで簡単に使用できる 全体的にムラなく染められるが、白髪以外の髪には着色しづらい 一度ではしっかり染まらないので、持続した使用が必要 |
カラートリートメント |
普段のトリートメントに置き換えるだけで使用でき、トリートメント効果もある カラーバリエーションが少ないの 色持ちが良くないので使用をやめてしまうとすぐに色が落ちてしまう |
ヘナ |
オーガニックの白髪染めなので安心して使用できる 髪質や頭皮改善効果がある カラーバリエーションが少なく、思った通りの色に仕上がらないことがある |
キレイに仕上がりやすいおすすめ白髪染め3選
白髪染めはタイプだけでも色々あるため、どれを選べば良いか迷ってしまう人も多いです。
美容師の目線でおすすめの白髪染めを3つ紹介しますので参考にしてみてください。
シエロ ムースカラー
ワンプッシュで簡単に泡が出るムースタイプのカラーリング剤です。
たっぷり泡を使ってフルカラーに使うことはもちろん、少量の泡を使った部分染めにも適しています。
泡がしっかりと絡みつくことで、色ムラなく仕上がりやすいです。
ツバキ油、ヒマワリ油配合などツヤ成分、海洋コラーゲン、海藻エキスなどの潤い成分配合で、つややかで潤いのある髪に仕上げます。
全16色とカラーバリエーションも豊富で、色を選ぶ楽しみも味わえます。
利尻カラートリートメント
毎日のバスタイムに取り入れるだけで白髪が染められるカラートリートメントです。
普通のトリートメントのように髪に馴染ませ洗い流すだけで、初心者でも色ムラなく簡単にカラーリングできます。
また、髪質を整えるトリートメント効果も期待できます。利尻昆布やオランダカラシ、ローズマリーなど28種類の天然由来のうるおい成分を配合し、しっとりまとまった美しい髪をつくります。
ノンシリコンで無添加なので、髪や頭皮が敏感な方も使いやすいです。
白髪染め独特の臭いが苦手な方にもおすすめです。
木木と(もくもくと)
人体にリスクのある成分は一切使用せず、アレルギー体質の方でも安心して使えるオーガニックの白髪染めです。
従来のヘナにあった「イメージ通りの色に仕上がりにくい」といったデメリットを、徹底した品質管理と人体に影響のない成分でクリアした注目の白髪染めです。
汚れや毛穴に詰まった皮脂や雑菌を分解して洗い流す頭皮のクレンジング効果、髪をコーティングして修復するトリートメント効果などさまざまなメリットがあります。
髪や頭皮をケアしながら、美しくカラーリングを仕上げたい方はぜひお試しください。
白髪になる原因
そもそも白髪はどのような原因でなるのでしょうか。
加齢によるものはよく知られておりますが、それ以外に栄養の偏りや睡眠不足なども原因になります。
またストレスで白髪が増えるとも言われています。
よく大変な恐怖に見舞われた人が一瞬にして白髪になる、などという物語を読んだことがある人がいるかもしれません。
これは極端な話でそのようなことは起こらないものの、ストレスによって白髪が増えていくというのは事実です。
白髪のメカニズム
そもそも髪自体には色はついていません。
メラノサイトという色素細胞からメラニン色素が作られ、それによって髪に色が付いているのです。
このメラニン色素が働かなくなることによって白髪が生えてきます。
メラニン色素が作られない原因の多くは加齢や、ストレス、栄養の偏りといったものになります。
また漢方の理論では下の図のように頭のどの部分に白髪が生えてくるかで体の不調がわかるといわれています。
頭の白髪の多い部分 | 不調の箇所 |
---|---|
つむじ | 心臓・肺 |
右の頭頂部 | むくみ・腎臓 |
左の頭頂部 | 肝臓 |
前頭部 | 便通・肛門 |
髪の分け目と後頭部 | 消化不良・胃腸 |
後頭部 | 生理不調・ホルモンバランスの乱れ |
こめかみ | 眼精疲労 |
耳の上 | 歯のトラブル |
耳の後ろ | 聴覚障害 |
白髪の予防法
ここまで白髪の対処法を紹介してきましたが、できることなら白髪は生えてこないことが理想的です。
日々の生活の中でできる白髪の予防・改善方法をいくつか紹介するので参考にしてみてください。
栄養バランスのとれた食事をする
髪の毛を作るのは、私たちが摂取した栄養です。
栄養バランスの偏った食生活を続けていると、髪の栄養が不足し白髪に繋がってしまいます。
白髪を増やさないためにも食事を通して栄養バランスを整えるようにしましょう。
健康で丈夫な髪を作るために、積極的に摂取したい栄養素は、次の3つです。
種類 | 説明 | 含まれている食物 |
---|---|---|
タンパク質 |
毛髪を構成する成分の80~90%を占めており、丈夫な髪を作るために重要な成分です。 タンパク質が不足すると髪のパサつきや枝毛、薄毛の原因となるとともに、髪の毛を黒くする働きのある「チロシン」というメラニン色素も同時に不足してしまいます。 健康的な髪を作るため、良質なタンパク質を積極的に摂取するようにしましょう。 |
・肉類 ・魚介類 ・乳製品 ・大豆 |
ビタミンB12 |
肌の新陳代謝を良くし、眼精疲労の緩和、神経機能の改善などに効果のあるビタミンB12は、白髪の予防や改善も期待できます。 またビタミンB12は毛髪や瞳の色を構成する黒色の色素「メラニン」の生成を促進させてくれます。 そのため、ビタミンB12は健康的な黒い髪を生やすのに必要な成分であると言えるのです。 |
・貝類 ・レバー ・牛乳 ・卵 |
亜鉛 |
ミネラルの一種である亜鉛は髪の主成分となるタンパク質と、黒色の色素であるメラニンを促進させる働きがあります。 しかし亜鉛は体内では生成されず、食事でしか体に取り入れることのできません。 食事を通して積極的に摂取をしないと、体内で不足してしまい白髪や髪質の悪化につながってしまいます。 |
・牡蠣 ・豚肉 ・チーズ ・レバー |
ストレスをため込まない
白髪の大きな原因として、ストレスも大きく関係しています。
2020年に米ハーバード大学研究チームが、マウスを使った動物実験で、生き物が強いストレスを感じると白髪が増えることを科学的に証明しました。
ストレスを感じると神経伝達物質のノルアドレナリンが過剰に活性化され、毛包にある色素を作る色素幹細胞が永続的に枯渇してしまうことから、白髪が増加してしまいます。
そのため白髪を予防するには、朝決まった時間に起床し日の光を浴びたり、ストレスを感じたら深呼吸をするなど、ストレスをため込まずに自律神経を整える工夫を生活に取り入れることが大切です。
頭皮のケアを行う
頭皮ケアを行うことは、白髪予防にも有効です。
髪の毛の土台である頭皮環境が育つ髪の毛の質に大きく関わっています。
頭皮の血行が悪化すると、髪を育てる毛母細胞まで栄養が行き届かなくなり、メラニン色素を作る働きが著しく低下してしまうため白髪になってしまいます。
頭皮の血行を改善することで白髪予防になると同時に、髪にツヤやボリュームが生まれるなど髪質の改善にもつながります。
シャンプーやトリートメントの時に頭皮をやさしくマッサージする習慣をつけることで、白髪予防につながるのでぜひ習慣化してみてください。
まとめ
今回は白髪を抜くことによる様々なデメリットと、抜かずにできる対処法を紹介しました。
白髪を抜くことで毛根や頭皮が傷つき、白髪が更に増えたり薄毛の原因に繋がるため、白髪を抜くことは控えるようにしましょう。