白髪染めを定期的に行っているのに、色持ちが悪くて困っているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。白髪染めは永久的なものではありませんが、染め方やヘアケアの仕方などを変えることで、色持ちを長持ちさせることができます。
今回は、白髪染めの色落ちでお悩みの方のために、白髪染めが色持ちする期間や、色落ちする原因、色持ちを長持ちさせるためのコツについて、詳しく解説していきます。
白髪染めの色持ちはどのくらい?
髪の毛を染める方法にはおしゃれ染めと白髪染めがありますが、どちらも基本的に髪の毛を染めるメカニズムは同じで、髪の表面のキューティクルを広げ、過酸化水素とジミアン系の酸化染料を使って髪の内部で色を定着させていくものになります。
そのためおしゃれ染めをしても白髪染めをしても、髪の毛の色が染めた時の色であり続けることはなく、時間の経過とともに色は抜けていきます。
色落ちしてしまう原因はさまざまで、原因によって色持ちの期間も異なりますが、白髪染めの色持ちする期間は一般的に2週間から1ヶ月半といわれています。
白髪染めが色落ちする主な原因
色落ちする原因が判明すれば対処方法がわかり、白髪染めの色持ちを長くすることができます。
まずは、白髪染めが色落ちしてしまう原因について見ていきましょう。白髪染めが色落ちする主な原因には、次のようなものがあります。
シャンプーやトリートメントによる摩擦
白髪染めはキューティクルを開いて髪の毛の内側を染めるため、シャンプーやトリートメントをする際に摩擦でキューティクルが開いてしまうと、染料が流れ出し色落ちしてしまいます。
また、キューティクルは温かいお湯に濡れると開きやすく、髪を洗う時のお湯も色落ちの原因のひとつです。
シャンプーは髪の汚れを落とすものなので、そのシャンプーにより白髪染めの染料が落ちやすくなり、とくに洗浄力の強いシャンプーを使っている方は、特に色落ちもしやすいのでご注意ください。
紫外線による髪の毛のダメージ
白髪染めの色持ちをよくするためには、健康なキューティクルで白髪染めの染料を閉じ込めておかなくてはいけません。
髪の毛は「シスチン」と呼ばれるアミノ酸から構成されるタンパク質でできていますが、この「シスチン」は紫外線に大変弱く、紫外線により「シスチンの結合(髪の主な結合)」が切れてしまい酸化が進んでいきます。
そして、酸化進むと、髪のなかに「シスチン酸」作られ、この「シスチン酸」により髪がうねったり、パサついたりといったいわゆるダメージヘアとなってしまうのです。
紫外線でダメージを受けた髪はキューティクルが剥がれ落ち、そこから髪の水分や栄養が流れ出してしまいます。
その際に白髪染めの染料も流れ出し、色落ちがしやすくなるのです。
うまく染まっていなかった
白髪染めが上手く染まっていないと、色落ちするのも早いです。
白髪染めが上手く染まらない、原因には次のようなものがあります。
- 放置時間が十分ではなかった
- 白髪の部分や根元の部分にしっかりと染料が塗れていなかった
- 髪の毛が汚れていて、白髪染めがしっかりと髪につかなかった
- ワックスやオイルトリートメントが残っていて白髪染めの染料が浸透しなかった
落ちやすい白髪染め剤を使った
白髪染めには多種多様の種類があります。
市販の白髪染めは、アルカリ剤でキューティクルを開き髪の内側を黒く染めるものですが、一方、ヘアマニキュアやヘアトリートメントは白髪の表面に色をつけていくものになります。
市販の白髪染めで白髪染めをした場合は、キューティクルによって白髪染めの染料が内側に閉じ込められますが、ヘアマニキュアやヘアトリートメントは表面を着色しただけなので、シャンプーをするたびに色落ちするため、市販の白髪染めよりも色落ちがしやすいです。
白髪染めの色持ちを左右する主な要因
続いて、白髪染めの色持ちを左右する要因について見てみましょう。
白髪染めの色持ちを左右する主な要因は、次の4つです。
生えている白髪の量
白髪の量が多いと、染めなくてはいけない部分が多くなるので、色落ちがしやすく、色落ちがしていることも目立ちやすいです。
黒髪に対する白髪の量の割合が多ければ多いほど、色持ちする期間は短くなります。
色持ちする期間は、髪質や使う白髪染め剤によって異なりますが、同じ白髪染め剤を使って白髪染めをした場合の、白髪の割合と白髪染めの色持ちする期間の目安は次のとおりです。
白髪の割合 | 色持ちの目安 |
---|---|
30%以下 | 約1ヶ月半分 |
50%以下 | 約1ヶ月 |
50%以上 | 約2~3週間 |
使っている白髪染めの種類
白髪染め剤に使われる成分によっても色持ちは違ってきます。
白髪染め剤の種類と色持ちの目安は次のとおりです。
白髪染めの種類 | 色持ちの目安 |
---|---|
一般的な白髪染め | 約1ヶ月~1ヶ月半 |
ヘアマニキュア | 約2~3週間 |
ヘナ | 約1ヶ月半~3ヶ月 |
白髪染めトリートメント | 約1~2週間 |
白髪染めをする人の髪質
白髪染めする髪質も、白髪染めの持ちを左右します。
白髪染めが長持ちしない髪質の特徴は、次のふたつです。
細い髪や猫っ毛
髪の毛が細かったり、猫っ毛だったりすると、染料が定着せず白髪染めがしっかりと染まらないことが多いため、他の髪質の人と比較すると色落ちしやすい傾向にあります。
ダメージヘア
健康的な髪はキューティクルが髪を閉じているので、キューティクルが染料を内側に閉じ込め、染料が流れ出にくく色持ちが良いです。
一方、ダメージヘアの人は、キューティクルが傷ついていて常に開いている状態なので、染料が流れ出やすく白髪染め色持ちも悪いです。
具体的には、カラーリング、パーマ、縮毛矯正をしている人、白髪が多く頻繁に白髪染めをしている人は、髪の毛が傷んでいることが多いので、白髪染めの持ちはよくありません。
白髪染めの技術力
技術力の高い美容師は、お客様の髪質やコンディション、ダメージ具合、 生えている白髪の量、 さらその日の温度や湿度なども考慮し、白髪染め剤の量や放置時間を設定します。
そのため、技術力の高い美容師に施術をしてもらうと、仕上がりがキレイで色持ちもよいです。
セルフで白髪染めをする場合は、説明書をしっかり読まずに放置時間を間違えたり、見えないところにうまく白髪染め剤が塗布できなかったりすることも多いので、色ムラができやすいです。
色ムラがあると、色落ちがしやすく色落ちも目立ちます。
白髪染め剤の種類による色持ちの違い
白髪染めによって、白髪を染めるメカニズムと使われている材料が異なるため、白髪染め剤によって色持ちの違いが生じます。
白髪染め剤の種類とそれぞれの特徴、色持ちする期間は次のとおりです。
一般的な白髪染め剤
市販の白髪染めは、アルカリ剤とジアミンで白髪を染めていくものです。
髪の毛の周りにはキューティクルが覆われているため、まずはアルカリ剤で髪の毛のキューティクルを開きます。
髪の内側に染料が染み込み、白髪に色が付きます。
市販の白髪染め剤には、発色や着色をよくする役割のあるジアミンが含まれているため、色持ちがよく1ヶ月から2ヶ月は色持ちします。
ただし、アルカリ剤とジアミンは髪の毛にダメージを与えるため、使い続けると髪の毛を傷めてしまうことも多く、次第に色持ちが悪くなることが考えられます。
市販の白髪染め剤で色持ちをよくするためには、リタッチで白髪染めの回数を減らしたり、髪が痛まないようにヘアケアをしたりするなどの対策が必要です。
ヘアマニキュア
ヘアマニキュアには酸性染料を使って、髪の毛の表面をコーティングし白髪を隠します。
アルカリ剤やジアミンを使っていないため、敏感肌の方も使いやすいメリットはありますが、髪の内側を染めているわけではないので、市販の白髪染め剤と比較すると色持ちは良いとはいえません。
シャンプーには洗浄力があるため、シャンプーをする度に、ヘアマニキュアが剥がれていきます。
ヘアマニキュアの色持ちする期間は短く、2週間から3週間程度です。
ヘナ
ヘナはミソハギ科植物のヘナを原料とした白髪染め剤で、葉の部分に含まれる「ローソニア」が、髪のタンパク質に付着してオレンジ色に着色します。
植物が原料としているため、髪の毛に優しいのが特徴です。
化学物質を配合せずオレンジ色に発色するヘナは、真っ黒に染めるのが難しいですが、市販の白髪染め剤より色持ちがよく、1ヶ月半〜3ヶ月以上持ち、褪色も遅いです。
しかし、実際はヘナでしっかりと染めることができず、2週間ぐらいで色落ちをしていると感じる方も多いです。
ヘナで色持ちを長くするためには、白髪をキレイに染められるかがポイントになります。
白髪染めトリートメント
白髪染めトリートメントは、塩基性染料やHC染料で髪の表面を染めますが、髪の毛をケアしながら白髪染めができるので髪が傷む心配がありません。
1度で染まることはなく、続けて使用することで白髪に色がついていくので、使うのをやめれば色は落ちてしまいます。
白髪染めトリートメントは週に2~3回使い続けるのが基本ですが、使うのをやめれば3日目あたりから色落ちを感じ、1週間から2週間で白髪が目立ってくるでしょう。
白髪染めを長持ちさせる秘訣
白髪染めは、工夫次第で長持ちさせることができます。
ここでは白髪染めを長持ちさせる秘訣を、5つご紹介いたします。
白髪が目立ちにくい色で染める
日本人の髪は黒髪なので、濃い色で染めると地毛と伸びてきた白髪がコントラストで白髪が目立ちやすくなります。
白髪染めをする際に、伸びてきた白髪が目立たない色を選ぶのも方法のひとつです。
白髪が目立ちにくい色で染める際のポイントは、次の3つです。
明るい色で染める
明るめの色を選ぶと、生えてきた白髪が目立ちづらくなります。
明るい色は、若々しい印象になるメリットもあります。
明るめの色で白髪染めをして、伸びてきた部分はリタッチすれば髪を傷めなくて済みます。
リタッチについて、より詳しい記事もありますので、ぜひ参考にしてみてください。
アッシュカラーで染める
白髪染めが色落ちして赤っぽくなるのが気になる方は、アッシュカラーがオススメです。
アッシュ系は、白髪に染まりやすく色落ちしても浮いた感じになりません。
アッシュカラーについて詳しく書いた記事がありますので、こちらも参考にしてみてください。
ハイライトを入れる
ハイライトとは、髪全体のところどころ明るい部分を入れることです。
ハイライトを入れて、全体を白髪染めすることで、白髪が伸びてきても白髪が目立ちづらくできます。
ハイライトは、髪の毛に立体感を出せるので、白髪だけでなく髪の毛にボリュームがなくなっていてお悩みの方にもおすすめの方法です。
こちらも、ハイライトについてのメリットデメリットを書いた記事がありますので、ご覧ください。
美容院で染めてもらう
美容室での白髪染めは料金が高いですが、髪質やコンディション、ダメージ具合などを確認してから、白髪染めをしてくれるのでセルフでやるよりもキレイに染まり色持ちもよいです。
ただし、美容室によって技術力は異なるので、白髪染めの色持ちをよくするためには美容室選びが重要になります。
シャンプーの種類や洗い方を変える
洗浄力に優れたシャンプーは白髪染めが落ちやすいので、石油系や高級アルコール系の成分を含んだシャンプーは避けたほうがよいのと同時に、白髪染めをした人は、髪の毛と頭皮に刺激が少ないアミノ酸系のシャンプーがオススメです。
白髪染めの回数を減らしたい方は、シャンプーをする度に白髪が染まるカラーシャンプーを使ってみてもよいでしょう。
シャンプーをする際にゴシゴシ洗うと、摩擦で白髪染め剤が落ちてしまうので優しく洗い、髪の毛にお湯がかかるとキューティクルが開きやすくなるので、シャンプーをする際は、ぬるめの温度に設定することも大切です。
シャンプーの選び方も大事ですが、洗い方やすすぐ温度にも注意をしましょう。
髪を洗ったらドライヤーですぐに乾かす
白髪染めを長持ちさせるためには、キューティクルを常に閉じた状態にしておくことが重要です。
髪の毛を洗うとキューティクルが開いた状態になるので、髪の毛を洗ったらすぐにドライヤーで乾かし、キューティクルをしっかりと閉じるように心掛けてください。
ただし、ドライヤーの熱も髪の毛が高温になるので注意が必要です。ドライヤーを振りながら、一か所に熱が集中しないよう乾かしていきましょう。
UV対策をする
紫外線は肌同様、髪の毛にもダメージを与えてしまいます。紫外線で髪の毛が傷むと、 白髪染めの持ちが悪くなります。
日差しが強い日は UV 対策として、 UVカットのスプレーやスタイリン剤を使ったり、帽子を被ったりするのがオススメです。
まとめ
白髪染めの色持ちが悪いと白髪染めの回数が増え、髪の毛が傷んでさらに白髪染めの持ちが悪くなるという悪循環に陥ってしまいます。
白髪染めの持ちは人それぞれ異なるので、ここで紹介した情報を参考にしていただき、自分に合った色持ちのよい白髪染めの仕方を見つけてみてください。