妊娠して急に白髪が増えたけど、胎児や妊婦への影響が心配で妊娠中に白髪染めをしていいか迷っているという方は少なくありません。
そこで、妊娠中でも安心して白髪染めができるように、注意すべきポイントや妊娠中でも安心して使用できる白髪染めについて紹介します。
妊娠中は白髪が増えやすい
白髪の原因は、髪の色素を作るメラノサイトの働きが低下することです。
妊娠すると体質が変わったり、栄養を赤ちゃんに送ることで自分に必要な栄養が不足したりと、メラノサイトの働きを低下させる原因が多くあります。
ホルモンバランスの乱れで白髪が増える
妊娠中はホルモンバランスが崩れやすく、メラノサイトの働きが低下しやすい時期です。
髪に必要な色素が作られないと、白髪が一気に増えていきます。
ストレスで白髪が増える
妊娠中はイライラがたまったり、落ち込みやすかったり精神的にも不安定な時期が続きます。
ストレスを感じる頻度が高いと体が落ち着かずに血行が悪くなりやすいです。
血行が悪くなるとメラノサイトもうまく働かなくなるので白髪の原因になります。
栄養・睡眠・運動不足でも白髪が増える
髪を黒くするために必要なタンパク質や葉酸などの栄養素は、胎児の体をつくるのに使われ、栄養が不足していると妊婦の頭皮にまで行き渡りません。
また、運動不足で血行が悪くなったり、睡眠不足で成長ホルモンの分泌が少なかったりすると、メラノサイトが機能せず髪に色をつけられなくなります。
妊娠中の白髪染めによる影響
妊娠中に白髪染めすることをおすすめはしません。
妊娠すると体質が変わり、妊娠前には見られなかったトラブルが発生する可能性があります。
アレルギー反応や皮膚トラブル、匂いによる体調の変化などを引き起こしやすいので注意が必要です。
胎児への影響はほとんどない
医学的に、白髪染めが毛穴を通じて胎児に届き影響を与えることはないとされています。
カラー剤の成分濃度に影響をおよぼすほど濃くはないからです。
妊娠初期は避ける
妊娠初期の12週目までは胎児の臓器が作られる時期なので、化学物質の影響を受けやすいとされています。
白髪染めの影響を受けたという医学的根拠がないとはいえ、どうしても心配な場合は妊娠初期を越えてから白髪染めを使用しましょう。
体調によっては妊婦に影響が出る
胎児に及ぼす影響はありませんが、妊婦に影響が出る場合があります。
妊娠前に問題なく使えていた薬剤でも反応を起こすことがあるので注意しましょう。
薬剤によるアレルギーを起こすかも
妊娠中は体質が変わり、体力も落ちているのでアレルギー症状が出やすいです。
特に、白髪染めに使われているジアミンがアレルギーを引き起こす可能性があります。
軽度の症状ならかゆみや赤みで済みますが、高熱や呼吸困難など重度の症状が出ると、胎児にまで影響が出る可能性があるので気をつけましょう。
白髪染めによるアレルギーの詳しい解説はこちらの記事をご覧ください。
白髪染めの匂いで体調を崩すことも
白髪染め特有のツンとした匂いに敏感になることもあります。
染めた後にも匂いが髪に残り続けることがあるので、匂いづわりのある人は特に注意してください。
白髪染めの匂いに悩みは以下の記事にまとめていますのでご覧ください。
妊娠中でも安全に白髪を染める方法
アレルギー反応や体調を崩す心配を避けるため、妊娠中は注意して白髪染めを行う必要があります。
妊婦でも安全に白髪を染める方法を紹介します。
保護クリームで頭皮を守る
白髪染めは根元からしっかり染める必要があるので、頭皮にも薬剤が付着します。
妊娠中で敏感になった肌にダメージを与える可能性や匂いが残りやすいので、白髪染めを塗る前に頭皮に保護クリームを塗っておきましょう。
頭皮にべったり付かないように、髪の根元ギリギリで塗布するのもおすすめです。
リタッチや部分染めで時間短縮
体調が変化しやすい妊娠中は、長時間きつい匂いを嗅いだり、同じ体勢で体に負担をかけたりすることを避けるのが大事です。
根元だけを染めるなどして、白髪染めにかかる時間を短縮しましょう。
リタッチに関する詳細は以下の記事をご覧ください。
白髪染めの頻度を減らす
白髪染めの頻度が高いと地肌や髪にかかる負担も大きいです。
ダメージやアレルギー反応のリスクを軽減するためにも、白髪染めの頻度を下げることがおすすめです。
1~2ヵ月おきに染めていた人は3~4ヵ月おきにするなど、体への負担を軽くしましょう。
肌にやさしい白髪染めを使用する
ジアミンや過酸化水素など、髪や頭皮にダメージを与える成分が入っていない白髪染めを使いましょう。
天然成分が配合されているものなら、アレルギーの心配もかなり抑えられるのでおすすめです。
妊娠中に美容室で染める場合
美容室での白髪染めは髪へのダメージや、アレルギーの心配を軽減できますが、体調によっては出向くのが難しい場合もあります。
美容室で白髪染めをするメリットとデメリット、予約時の注意点を確認しておきましょう。
美容室で染めるメリット
美容室で白髪染めするメリットは、以下の2点です。
肌にやさしいカラー剤を選んでくれる
妊娠中なのでトラブルの心配を相談すると、ジアミンフリーやオーガニックカラーなど体にやさしいカラー剤を使用してくれることが多いです。
直接頭皮につけないなど、プロの技術で高いクオリティに仕上げてくれます。
しかし一般的にオーガニックカラーの定義が定まっていないため、全ての製品が体に優しい成分で作られているわけではありません。
オーガニックカラーについては以下の記事にまとめているのでぜひご覧ください。
短時間で終わるメニューを組んでくれる
当日の体調を相談しておけば、短時間で終わるメニューを組んでくれる美容師もいます。
セルフの場合フルカラーで時間がかかる人も、美容師によってはリタッチで済むなどの判断をしてくれるので、短時間で施術が終わる場合があります。
美容室で染めるデメリット
美容室で染めるデメリットは、以下の2点です。
これらは個人差があるため、人によっては問題ない場合もあります。
美容室特有の匂いで体調を崩す
美容室では、他のお客さんに使っているカラー剤の匂いなどで体調を崩す場合があります。
妊婦の体調は変わりやすく「この前まで大丈夫だったのに、今日は辛い」ということもあるので、美容室に行く際は気をつけましょう。
長時間同じ体勢をとるのがきつい
カラー剤を塗布した後の放置時間や、シャンプー台で洗い流す際などの姿勢が妊娠中はきついと感じることがあります。
薬剤を塗布してしまうとすぐには洗い流せないので、長時間同じ姿勢をとるのが苦しい人は美容室で染めない方がよいでしょう。
美容室で染めるときの注意点
妊娠中に美容室で白髪染めを行うときは、自分の体調と相談する必要があります。
ただし、事前に伝えておくことでデメリットが解消できる場合もあるため、妊婦だからといって美容室に行くのを諦めることはありません。
美容室で安心して染められるよう、注意点をいくつか紹介します。
予約時に妊婦であることを伝えておく
予約の際、妊婦であることを伝えておきましょう。
アレルギー反応や匂いが心配な場合は対応できるメニューがあるか、お腹の状態によって姿勢を変えられるかなど聞いておくと安心です。
万が一体調不良でキャンセルする際は、いつまでに連絡すべきかなども確認しておきましょう。
こまめに姿勢を変える
事前に美容師に相談しておけば姿勢を変えるときにスムーズにできるし、ブランケットなどのサポートグッズを貸し出してくれる場合もあります。
トイレの場所など聞いておく
妊娠中はトイレが近くなる人が多いです。
匂いづわりなど急な体調不良になったときに素早く対応するためにも、施術前にトイレの場所を確認しておきましょう。
妊娠中にセルフで染める場合
セルフで白髪染めを行えば、急な体調不良にもすぐに対応できます。
自分の調子が良いときに染められるというメリットもありますが、肌トラブルなどのデメリットもあるのがセルフカラーです。
セルフで染める際の注意点も含めて詳しく解説していきます。
セルフで染めるメリット
セルフで染めるメリットは、以下の2点です。
自分の体調のいいタイミングで染められる
美容室だと急な体調不良などで、キャンセルするのが心苦しいと思っている人にはセルフがおすすめです。
その日の体調に合わせて、都合の良いタイミングで染められます。
長期間でなければ事前に買っておいた染料を放置していても問題ないので「今日はやっぱりやめよう」と別の日に変更することもできます。
白髪染めが合わないときすぐに止められる
「白髪染めが少しピリピリする」など気になったとき、すぐ洗い流せるのもセルフで染めるメリットです。
美容室だと言い出しづらく多少の刺激は我慢してしまう人もいるので、セルフカラーは全て自分の判断で行える気軽さがあります。
セルフで染めるデメリット
セルフで染めるデメリットは、以下の2点です。
染料で肌トラブルを起こすかも
肌に刺激の強い白髪染めを使用してしまい、赤みやかゆみなどのトラブルを起こす可能性があります。
特にジアミンを使用した白髪染めを選ぶとアレルギー反応が起こりやすいので、妊娠中にセルフで染めるときは注意が必要です。
仕上がりにムラが出やすい
自分で塗る白髪染めは、キレイに仕上がらずムラが出てしまうデメリットがあります。
セルフで染めるときは、泡タイプやトリートメントタイプなど髪全体に付けやすいものがおすすめです。
セルフで染めるときの注意点
セルフで白髪染めをするときには、自分の肌に合うかを確認してから使うとトラブルを防ぐことができます。
また、ジアミンやアルカリなどトラブルを起こしやすい成分を抜いた白髪染めを選ぶことも大事です。
使う前にパッチテストを行う
白髪染めを行う際には必ずパッチテストをしましょう。
妊娠前は問題なく染められていても、妊娠して体質が変わり刺激を感じるようになる可能性があります。
重度のアレルギー反応が出れば結果的に胎児にも影響するので、パッチテストで事前に確認しておきましょう。
低刺激成分の白髪染めを使う
アレルギーを起こしやすい染料や成分が配合されていない低刺激の白髪染めを使用しましょう。
避けた方が良い成分としてジアミンやパラベン、香料、アンモニア、過酸化水素などがあります。
一般的な白髪染めは刺激の強い成分が含まれていることが多いので、トリートメントやヘアマニキュア、ヘナカラーなどがおすすめです。
カラートリートメント
カラートリートメントは、毎日使うことで徐々に髪が染まっていきます。
染まり方は緩やかですが、ジアミンなどの強い成分を含まないものが多く、髪や頭皮のトラブルを起こしにくいアイテムです。
髪の保湿や補修成分が含まれていることも多く、妊娠中に栄養不足でパサつく髪をうるおす効果も期待できます。
ヘアマニキュア
ヘアマニキュアは、髪の表面にカラーをコーティングさせて白髪を染めます。
頭皮に直接塗布せずに染められるので、肌トラブルを起こしにくいのが特徴です。
色落ちはしやすいですが、トリートメントよりも早く発色します。
ヘナカラー
天然由来の成分で髪をコーティングし発色させるタイプです。
妊娠中のリスクを考えると最も体にやさしい白髪染めと言えるでしょう。
成分的にはハーブの香りなので、白髪染め特有のツンとした匂いもありません。
最近はオーガニック製品への関心が高く、ヘナカラーの注目も高くなってきています。
妊娠中におすすめの白髪染め3選
妊娠中でも安心して使える白髪染めを3つ紹介します。
髪や頭皮のトラブルを起こしにくい成分であるか、家で手軽に染められるか、匂いが強くないかなどを考慮して厳選しました。
木木と
1度でしっかり白髪を染められます。
ジアミン不使用で髪や頭皮のアレルギーを引き起こしにくく、キューティクルを保護する効果によって、妊娠中に傷んだ髪を補修可能です。
ヘナカラーは暗めの色が多いですが、木木とはカラーバリエーションが多く、明るいカラーも楽しめるので、おしゃれの幅も広がります。
利尻 カラートリートメント
ジアミンやパラベンなどアレルギーの原因となる成分を含んでおらず、天然由来の色素で白髪をキレイに染め上げます。
利尻昆布を中心とした植物エキスによるトリートメント効果が高く、妊娠中に栄養不足でパサつく髪にハリやツヤを取り戻すのが特徴です。
ルプルプ エッセンス カラートリートメント
トリートメントタイプの白髪染めで、使う度に染料が髪に馴染み、徐々に白髪を染めていきます。
ジアミンや過酸化水素を使わず、毎日染めても傷みを感じにくい成分内容が魅力。
アッシュブラウンやハニーブラウンなど比較的明るく染まるカラーもあるので、白髪を明るく染めたいという方にもおすすめの商品です。
まとめ
妊娠中の白髪染めによるリスクや、美容室・セルフそれぞれのメリットとデメリットについて解説してきました。
いつもより肌や匂いに敏感になっている妊娠中、体調を崩さないよう安全な白髪染めを使用して快適に過ごしましょう。