白髪が増えてきたのに、あの独特の匂いが嫌で白髪染めに手を伸ばせない人は少なくないです。
匂いの正体や理由を探り、原因を取り除くことで「匂わない快適な白髪染め」は実現できます。
この記事では、白髪染めの匂いについて解説し、匂わない白髪染めや髪に残った匂いを消す方法について紹介していきます。
白髪染めの匂いが気になる人は多い
白髪染めのツンとした鼻に残る匂いが気になるという人は多いです。
美容室でもセルフでの白髪染めでも発生するこの独特な匂いは、時に体調を崩す人が現れるほど強烈です。
さらには塗っている間だけでなく、染め終わった後の数日間匂いが残り続けてしまいます。
「白髪染めをもっと快適にしたい」という悩みは、長きに渡り多くの人を悩ませています。
白髪染めのツンとした匂いの原因は?
白髪染め特有のツンとした匂いの主な原因は、アルカリ剤という成分に含まれるアンモニアです。
アンモニアは髪に染料を沈着させる作用を持ちますが、髪の中で役目が終わると揮発し、空気中に抜け出していきます。
ツンとした強烈な匂いを感じるのはこの時です。
洗い流してもアルカリ剤は髪や頭皮に残ったままなので、染めた後の数日間は残留したアンモニアの匂いを感じます。
アンモニアは環境省による悪臭防止法の中で指定された特定悪臭物質です。
白髪染めは限りなく鼻に近い髪に塗布するため、独特の匂いが長期間続いてしまうのです。
白髪染めは通常のヘアカラーより匂いが残りやすい
白髪染めは通常のヘアカラー剤より匂いが残りやすいです。
日本人の一般的な黒髪と白髪では染料の馴染みやすさが違うため、配合する成分内容も変わります。
そのため、塗っている間も後に残る匂いも白髪染めの方が強いです。
また、白髪染めでは染料の馴染ませ方も一般的なヘアカラーとは異なる方法なので、匂いが長期間残りやすいとされています。
白髪染めと通常のヘアカラーの違いについては以下の記事で詳しくまとめています。
理由①白髪は黒髪より染まりにくい
普通の黒髪と白髪を比べると、白髪はカラー剤と反応しづらく染まりにくいです。
そのため白髪染めには通常のカラー剤よりも染める力が強力な過酸化水素水やジアミン、アルカリ剤といった化学成分を配合しています。
これらの成分は染める力に比例して匂いも強いです。
アルカリ剤と過酸化水素水が反応することで白髪はしっかり染まりますが、その後のツンとした匂いも通常のカラー剤を使用した時より強く残ってしまいます。
理由②白髪染めは頭皮にしっかり塗布する
通常のヘアカラーは髪の毛にのみカラー剤を浸透させて染めますが、白髪染めの場合は髪と頭皮の両方に塗布します。
強烈な匂いを持つ成分が髪の中や頭皮の毛穴に入り込むので、その分匂いが残りやすいです。
アンモニアを含んだアルカリ成分が髪や頭皮に残ったままだと、髪を濡らした時やドライヤーの熱によってツンとした匂いが戻ってきます。
この匂いが抜けるまでに通常、1週間~10日間ほどかかってしまいます。
匂いが残りやすいのは美容室?セルフ?
美容室の施術とセルフでは、匂いの残りやすさが違います。
より匂いが残りやすいのはセルフの白髪染めです。
量や置き時間の加減により残留する匂いの強さも変わってくるので、セルフで染める場合はメーカーが定めた規定に従うことが大事です。
自分での調整が不安な方は美容室での施術がおすすめですが、美容室で染めるからといって完全に匂いの心配がないわけではありません。
セルフ白髪染めは時間の加減が難しい
セルフでの白髪染めはつける量や置き時間の加減ができないので匂いが残りやすいです。
美容室で白髪染めをするとき、染める時間や染料の量は美容師が調整します。
セルフでの白髪染めは染まり具合が自分では分からないので、必要以上に薬をつける人やしっかり染まるように規定時間以上置いてしまう人が多いです。
そうすると匂いもより残りやすくなる上に、髪は大きなダメージを受けます。
美容室でも匂いは完全には消えない
美容室で白髪染めをしても匂いは完全には消えません。
量や時間は美容師が調整するのでセルフで染めるよりも匂いは残りづらいですが、そもそも化学成分を使用した染料を使っている場合は髪や頭皮に成分の匂いが残ります。
色むらやダメージはセルフより大幅に軽減できるので、匂いや仕上がりが気になる方は美容室での施術をおすすめします。
白髪染めの匂いを消す方法は?
白髪染めをした後、髪や頭皮に残ってしまった匂いを消す方法を紹介します。
自分でできる方法として、日常的に使用するケアアイテムで残留成分を洗い流すことや、髪や頭皮に残りづらい白髪染めを使用することが挙げられます。
匂いが残ったまま放置している場合よりはすぐに匂いを除去できますが、それでも強く匂いが残るようであれば美容室や皮膚科での相談をおすすめします。
シャンプーで髪に残ったカラー剤を洗い流す
髪や頭皮に残った化学成分を汚れと一緒に洗い流す効果のあるシャンプーを使用することで、匂いを早く消すことができます。
適しているのは炭酸シャンプーやエイジングケアシャンプーです。
炭酸シャンプーは、細かな泡が髪の中や頭皮の小さな毛穴に入り込むので内部に残留した化学成分を汚れと一緒に洗い落としてくれます。
洗浄力があるので白髪染めの匂いも素早く消せる上に、脂や汗による頭皮のべたつきもさっぱり洗い流して清潔な状態へと仕上がります。
エイジングケアシャンプーは、頭皮に栄養を与えて健やかに保つケアシャンプーです。
ハリの弱い頭皮は白髪染めの成分も匂いも残りやすいので、頭皮の健康を取り戻し緩んだ毛穴を引き締めることで染みついた匂いを消しやすくします。
抜け毛や頭皮トラブル予防にもなるので、白髪を含め髪のエイジングに悩む方におすすめです。
髪のダメージが気になる方には、ヘマチンという髪の補修成分が含まれているシャンプーがおすすめです。
ダメージが大きくキューティクルが開いてしまっていると、色落ちが早くなってしまいます。
白髪染め後のシャンプーに関しては以下の記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。
匂い残りしにくい洗い方
効果的なシャンプーを使うだけでなく洗い方も工夫することが大切です。
シャンプーをする前に、まずはお湯でしっかりとほこりや汚れを落としていきましょう。
お湯の温度は、あまり熱すぎると色落ちの原因となってしまうので、37度前後のお湯で洗うのがポイントです。
シャンプーを付けなくても、お湯洗いがしっかりできていると髪や頭皮の汚れは約8割落とすことができるので、はじめの段階でなるべく丁寧にお湯洗いしておきましょう。
そして、カラー剤の洗い残しがないように、根元や襟足、耳の周り、首周りなども洗い流していきます。
お湯洗いで残っているカラー剤をしっかり流した後は、消臭効果のあるシャンプーで洗うことで、かなり匂いが抑えられると思います。
ただし、強くこすると髪や頭皮を傷つけてしまうので、お湯やシャンプーを髪の毛の間に通すような感覚でやさしく洗っていきましょう。
頭皮に塗らないカラーを試す
頭皮の毛穴に成分が入って残留するのを防ぐため、頭皮に塗らないカラー剤を使用するのも手です。
種類としては、ヘアマニキュアとカラートリートメントがあります。
通常の白髪染めは、化学成分が髪のキューティクルを開いて強制的に成分を浸透させ染め上げる方法をとります。
しかし、ヘアマニキュアやカラートリートメントは髪に浸透しやすい成分を使用しているので、髪の表面に塗るだけで染めることができます。
強い化学成分を使わないので塗った瞬間の匂いも白髪染めより強くない上に、匂いが残りにくいのは大きなメリットです。
また、髪や頭皮へのダメージも通常の白髪染めより軽減されます。
①ヘアマニキュア
ヘアマニキュアは、髪の表面にカラーをコーティングする方法です。
髪の内部や頭皮に直接浸透させないので、化学成分が残りにくく気になる匂いが素早く消えます。
白髪に定着しやすくキレイに発色するため、白髪染め用のヘアマニキュアが販売されているほど最近ではメジャーな方法です。
髪へのダメージが少なく、紫外線など外の刺激から髪を守ってくれる働きもあります。
カラーの持ちは通常のヘアカラーよりも短く、色持ちは4週間ほどです。
②ヘアトリートメント
カラートリートメントとは、トリートメントに染料を配合したものです。
カラートリートメントは髪の表層部分に徐々に染料を浸透させていく方法なので、髪の内部に化学成分が入らず、強い匂いがいつまでも残らないのがポイントです。
ダメージも少なく、ものによっては髪の傷みを補修する成分が含まれるトリートメントもあります。
自宅で簡単に使用できる気軽さもありますが、他のカラー剤と比べると明るい色が入りにくいです。
匂わない成分の白髪染めを使用する
匂わない成分の白髪染めを使用すれば、染めている最中も快適な上に匂いも残りません。
アンモニアを含む化学成分が配合されていない白髪染めや、ハーブやフルーツをブレンドして香りを整えた白髪染めなど、セルフでも染めやすい白髪染めが年々増えています。
成分や染め方にこだわり、匂いへの工夫や髪のダメージケア、色落ちしにくい白髪染めを紹介していきます。
サロンドプロ 無香料ヘアカラー
サウンドプロの無香料ヘアカラーは「ニオイのない白髪染め」というキャッチコピーで人気のアイテムです。
ツンとした匂いの原因であるアンモニアを含む成分を使用しておらず、染めた後も髪に匂いが残りません。
色展開も豊富で、独自の染料処方で色持ちを良くしています。
染料による傷みやパサつきを軽減させるため、椿オイルやローヤルゼリーエキスなどのトリートメント成分も配合され、髪にやさしい白髪染めです。
クリームタイプの他に泡タイプや乳液タイプもあるので、自分の使いやすいタイプを選べます。
利尻 ヘアカラートリートメント
髪の内部に成分を浸透させないため匂いが残留しません。
また、ジアミンなどの強い化学成分を使わず、クチナシやアナトーといった植物性色素を配合しているため、強い匂いを放たずに高い染毛力があります。
天然利尻昆布の以外にも数種類の植物由来成分が髪に潤いを与えてくれるため、ダメージから髪を保護できるのも大きなメリットです。
クレイスパ カラートリートメント
クレイスパ カラートリートメントは、髪の表層部に浸透させるトリートメントタイプの白髪染めです。
髪や頭皮の内部まで成分が届かないので匂いが残らない上に、桃やハーブなどを調香師がブレンドしており、ツンとした匂いが苦手な方も使いやすい工夫があります。
ミネラルを含んだクレイ(泥)を配合しているので、髪の汚れや皮脂を吸着して洗い流し、キレイな状態へと導いてくれるカラートリートメントです。
植物性のヘナカラーを使用する
ヘナというハーブで作られた植物由来の染料、ヘナカラーを使用すれば化学成分特有のツンとした匂いから解放され、ストレスなく白髪染めができます。
通常の白髪染めよりアレルギー反応を起こしにくい点や髪のダメージを抑えられる点など匂い以外のメリットも多く、現在注目されている方法です。
ヘナカラーについて、通常のカラー剤との違いやおすすめの理由を紹介していきます。
ヘナカラーとは?
ヘナカラーとは、ヘナの葉を染料にして水で溶いたものを着色した植物由来のカラー剤です。
ヘナそのものの植物的な匂いはありますが、アンモニア特有のツンとした香りほど強くないので、匂いが気になる人にはおすすめのカラー剤です。
キューティクルを開いて浸透させるのは通常の白髪染めと共通の方法ですが、化学成分で強制的にキューティクルを開かせるのではなく、水に塗らして少し開いたキューティクルの隙間に染料を入れて、髪の内部のケラチンと反応させることで染め上げていきます。
通常のカラー剤との違いは?
ヘナカラーと通常のカラー剤との一番の違いは有害な化学染料が入っていないことです。
ヘナカラーはアンモニア特有の香りはしないため染めている最中の強烈な匂いや香りの残留は軽減されます。
髪色のバリエーションは通常のカラー剤の方が多いですが、染めることによるダメージが少ないのはヘナカラーの魅力です。
また、使ううちに色持ちが良くなっていくのも特徴で、継続して白髪染めをしたい人に合っています。
以下の記事ではおすすめのヘナカラーをランキング形式で紹介していますので、気になる方はぜひご覧ください。
おすすめの理由
ヘナカラーは染めている途中や染めた後の匂いを残したくないという方に特におすすめのカラー方法です。
植物由来成分で快適に使用でき、使った後の不快感もないのでセルフで使用するのも億劫になりません。
また、アレルギー反応が出づらくトリートメント効果のあるアイテムも存在します。
例えば、「木木と」シリーズは、ヘナの他に世界中から厳選した10種類以上のハーブ原料を配合したセルフヘナカラーです。
強い匂いが残らないのはもちろん発色が美しく、2度染め無しですぐに染色できるほどの効果を持ちます。
また、トリートメント成分により髪にハリとコシを生み出し、染めた後のきしみ感を残しません。
詳しくは以下をご覧下さい。
まとめ
白髪染め特有のツンとした匂いを抑える方法やおすすめの白髪染めについて紹介しました。
定期的に白髪染めを行うのに毎回美容室に行くのは大変でも、匂わない白髪染めを使用することでセルフでも快適に白髪染めができます。
強い匂いが嫌で白髪染めから遠のいていた方も、是非試してみてください。