ヘナの白髪染めは本当にいいのか

白髪は染めたいけれど科学的成分に対して不安やアレルギーに敏感になっている人が多くいます。
そんな中、天然成分由来のヘナが注目を集めています。ヘナが注目を集めている理由は古くからインドや中近東で使われており、天然成分でできているというところですが、本当にいい事ばかりなのでしょうか。
また、全ての人に安全に使用できるのか、ヘナで白髪染めをしようとする人に知っていただきたいメリット・デメリットを解説します。
白髪染めの種類
白髪を染めると一言で言ってもニーズに合わせて色々な染め方があります。
またその染め方によって多くの白髪染めの種類が発売されています。
初めて購入する人は自分にはどれが必要なのか、悩んでしまうのではないでしょうか。
全体的に白髪の方が多くなっているのであれば、白髪染めもしっかり染めるものを選ぶことになると思われますが、チラホラと気になり始めた時や、一部に目立って白髪がある場合などはどの程度の白髪染めを利用するのがいいのでしょうか。まずは白髪染めの種類について解説をします。
ヘアカラー(白髪染め)
一般的に白髪染めと聞くとヘアカラーを思い浮かべる人が多いかもしれません。
白髪染めは元々ヘアカラーの一種で、白髪を染めることに特化して作られたものです。
そのため以前はおしゃれのヘアカラーよりも暗めの色に染まるものが主流でしたが、現在では白髪染めも明るめの色が発売されるようになり、バリエーション豊富になりました。
白髪染めはキューティクルを開いて染料を入れていくため、しっかりと染まり、色も一番長持ちをするというメリットがありますが、髪にとって無理を強いるため傷みやすくなるというデメリットがあります。
また必ずパッチテストをしてから使用しないと、白髪染めに含まれるジアミンという成分でアレルギー反応がでてしまう可能性があります。
白髪染めには泡タイプとクリームタイプがあり、クリームタイプには1剤、2剤を混ぜて使用するものやそのまま使えるものがあります。
ヘナはヘアカラーの一種ではありますが、植物由来の天然成分で染めるため、髪へのダメージが抑えることができます。
ヘナは粉末で販売されていることが一般的です。
ヘアマニキュア
ヘアマニキュアはヘアカラーと違い、髪に染料を入れるというより髪に色を塗るといった方がイメージに近いかもしれません。比較的短い放置時間でも一度でしっかりと染まり、それほど髪を傷めずに染めることができます。
また髪をコーティングするため、艶やかな仕上がりになります。
ただ髪に染料をしみこませる白髪染めとは違いコーティングのようなものなので、白髪染めよりも色落ちが速く髪よりも暗い色で染めないと上手く染まらないといったデメリットもあります。
ヘアカラートリートメント
ヘアカラートリートメントはトリートメントに染料が入っており、洗髪をする時にトリートメントをするように白髪を染めていきます。
髪にダメージを与えることが少ないというメリットがありますが、一度ではあまり染まらないため、習慣的に使い続けていく必要があります。
また製品によっては爪なども染めてしまうことがあるというデメリットもあります。
ヘアカラートリートメントと同じような使用方法で白髪染めができるヘアカラーシャンプーもあり、トリートメントタイプよりも全体的にムラなく仕上がるというメリットがありますが、トリートメントタイプよりも染める力が弱いことがデメリットです。
一時染色料白髪染め
一時染色料白髪染めは出かける前に白髪を見つけてしまったというような急いで白髪染めをしたい時に応急的に白髪を染める方法です。
メイクをするように白髪に色を付けるだけなので1日程度で落ちてしまいます。
髪へのダメージなども特に気にするようなものではありませんし、そもそも一時的に応急措置として色を付けることが目的ですから色落ちが早くてもデメリットとも言えませんが、髪が濡れた時に染料が流れてくる可能性があることは注意が必要です。
一時染色料白髪染めには粉のタイプやリキッド、スプレーなど種類は様々です。
今まで白髪染めを選んで失敗したと感じた時
美容院で白髪染めをする場合、専門家のカウンセリングを受けながら染めていくことができるので初めての白髪染めでもそれほど希望とは違う仕上がりになることはないかもしれません。
しかしセルフで初めて白髪染めをすると希望と違うどころか失敗になってしまうこともあります。
それではどのような時に失敗したと感じるのでしょうか。
髪が傷んだ
髪が傷んだと後悔することは主にヘアカラーで聞かれるデメリットです。
ヘアカラーはキューティクルを開いて染料を入れていくだけにキューティクルが開いたままだとゴワゴワ、ビシビシといった手触りになっていくことが多くなります。
その為、ヘアカラーで白髪染めをした場合にはヘアオイルなどを使用してケアをしておくことが重要になります。
髪が傷むという点ではヘナはヘアカラーの一種ではありますが、比較的髪へのダメージは軽減することができます。
ヘナは天然の成分のため白髪染めでありながらヘアカラーよりも髪が傷みにくくなります。
想像した色には染まらなかった
パッケージには色の説明が書かれていますし、店頭には染めた色の見本が展示されています。
これを参考に白髪染めの色を選ぶことになりますが、元々おしゃれ染めをしている人や遺伝的な色素が影響して見本通りの髪の色にならないことがあります。
その髪の色が次に染める時までに許せる範囲であれば問題はありませんが、後悔するような色になり、もし急いで色を染め直ししようとするとさらに好ましくない色に染まるかもしれないデメリットもあります。
ヘナは色のバリエーションが少なく、オレンジ系もしくは青系の色に染まる傾向があり、なりたい髪の色が中々みつからないというデメリットがあります。
すぐに色落ちしてしまう
ヘアカラーであればそれほど色がすぐに落ちることはなく、ヘナも同じくすぐには色落ちすることはありません。
しかしヘアカラーは色落ちしにくい反面、髪が傷んでしまうというデメリットがあります。
ヘアマニキュア、ヘアトリートメントはヘアカラーに比べて色落ちは早くなり、特にヘアトリートメントは一度ではほとんど白髪は染まらず洗髪のたびに使用していかなければすぐに色が落ちてしまいます。
一時染色料白髪染めはそもそも一時的なものなのですぐに落ちることが前提となっています。
ヘナとは
ヘナは植物由来の天然素材を使用して白髪を染めるものとして日本でも定着してきました。現在、注目を浴びているヘナにはどのような特徴があるのでしょうか。
ヘナの特徴
ヘナの一番の特徴は天然の植物から採取された染料で白髪染めが作られているので、髪が傷みにくいことに加えて体に有害な物質が入らない可能性が高くなります。
ただアレルギーの心配が無くなるわけではないので、必ず使用前にはパッチテストをすることをお勧めします。
またヘナにはトリートメント効果が期待でき、ハリやコシが出て、紫外線からも守ることができます。
このようにいいことばかりに感じるヘナですが色のバリエーションが少なく、ナチュラルのオレンジ系とインディゴのブルー系の2種類が色の基準となります。様々な色で楽しみたい人にとっては多少なりともデメリットになります。
ヘナは天然素材
ヘナはインドや中近東などの熱帯地方で多く見られるミソハギ科シコウカという植物から採取される染料で、古くからタトゥーや爪などに色を付ける時に使われていました。
エジプトではクレオパトラが爪に色を付ける時に使われていたと入れています。
またインドの女性はビンディという額に赤い印をつける時にも使われています。また成分はアーユルベーダで薬草として使われていたという記録があるほど体内への悪い影響がないとされています。
ヘナが白髪染めとして定着した理由
ヘナは体に悪影響のない成分で出来ていますが、反対に一般的なヘアカラーでは髪がきしむというダメージの他にアレルギーを引き起こす物質が入っています。
白髪染めの中にはアレルギーを引き起こすだけでなく発がん性の物質としても知られているジアミンが入っています。
それ以外にも白髪染めに含まれている物質には生殖機能を鈍らせるものや、腎臓障害を引き起こすものも入っています。
このような科学的な物質に対しての危惧が世の中で高まってきたこともあり、ヘナのような天然の成分で白髪染めをすることを選ぶ人が増えてきました。
ヘナの使用方法
ヘナは主には粉末状で販売されています。
このヘナの粉を40度程度のお湯で溶き、クリーム状にしたものを髪に万遍なく塗ります。
しっかりと髪に塗った後でもみ込んでムラに染まらないようにします。キャップをかぶって40分から1時間ほど放置した後にシャンプーでしっかりと洗い流します。
また、乾かしておかなければ衣服にも色が付いてしまうので注意が必要です。
ヘナでより色を染めていくには放置している間に定期的にドライヤーでキャップの上から温風をあてていくこともポイントです。
ヘナのメリット・デメリット
上の項目でもヘナの特徴を解説してきましたが、もう一度メリット・デメリットに分けて解説いたします。
ヘナは天然成分で出来ているため体に有害な物質が入っていることはありませんが、それだけで全てがメリットとなるわけではありません。
白髪染めは少なからず体に影響を与えるものなので、しっかりとメリット・デメリットともに理解した上で使用していきましょう。
ヘナのメリット
ヘナの一番のメリットは植物由来の天然の成分で出来ていることです。
このためアレルギーのある人も白髪染めを安心して利用できる機会が広がることになりますし、髪に与えるダメージも少なくて済みます。また長期的にみて発がん性の物質が体に蓄積していく心配もなくなります。
この点ではヘナでなくてもヘアトリートメントなどでもヘアカラーよりは安全に使用することができますが、色の定着が弱く、色が長持ちしないというデメリットがあります。
この点でもヘナはヘアカラーと同じぐらい一度の白髪染めで長持ちをさせることができます。
髪が傷んでいる場合には1回目の白髪染めではきしんでしまうこともありますが、使い続けると髪にも変化が期待できます。
ヘナのデメリット
ヘナには脱脂作用というものがあり、人間の脂が奪われていくことですが、この作用により必要な脂まで奪われると頭皮のフケや頭皮の匂い、切れ毛や抜け毛の原因になります。
ヘナは気温の高いインドでは体温を下げるために塗ることがあります。
この作用が体を冷やしすぎてしまう原因となり生理中や体調不良の時には使用を避けた方がいいと言われています。
使用方法としては簡単に色が定着しないので放置時間がヘアカラーよりも長くかかることや、粉末をお湯に溶いていくときの分量など、初心者の人が上手く染めるためには他の白髪染めよりも難しくなります。
また、ヘナは色のバリエーションが限られており、暗めに染まっていくので明るめの髪に染めたい人には向きません。
また、染め続けていくと黒髪も赤茶色っぽい色になってしまうことや、白髪もオレンジっぽく染まってしまうことがあります。
ヘナを使用する時の注意点
これからヘナで白髪染めをしようと考えている人が知っておきたい注意点を解説します。
最初にヘナは天然成分で出来ているとは言え、パッチテストは必ず行いましょう。
ナチュラルヘナ
ヘナは天然成分でできているとは言いました。
しかし、商品として発売する時に科学的なものを混ぜて発売されているものがあります。
ナチュラルタイプのヘナは言葉どおり100%植物からできているため、アレルギーを引き起こす可能性が低くなります。
ただ材料の収穫時期や産地によって発色が違っていたり、古くなると嫌な匂いがしたり発色が悪くなったりする場合があります。
ケミカルルヘナ
ヘナの中でもケミカルタイプのヘナはナチュラルタイプのヘナでは発色が安定しないため、ヘアカラーで使用する酸化染料を混ぜることで染めやすくしているものです。
色のバリエーションも増え、100%天然のヘナと比べて染めやすくなり、髪へのダメージも少ないですが、科学的な成分が入っているのでアレルギーのある人は注意が必要です。
ヘナの白髪染めの色を選ぶ注意点
ヘナは色のバリエーションも少なく、暗めに染まってしまうので明るい色にしたい人にとっては選択範囲が半減してしまいます。
またオレンジ系のヘナだと白髪がオレンジ系に染まって目立つため、ヘナとブルー系のインディゴを混ぜて黒っぽい色を作ることも可能です。
ご自身で混ぜて色を作る人もいますが、最初からセルフで混ぜて色を作るのは難しいので、一度、プロに相談することをお勧めします。
ヘナを使って白髪染めをする時の注意点
ヘナには脱脂作用があり必要な脂も抜けてしまうので、ヘナを混ぜる時や洗髪後にヘアオイルをいれて潤いを保つようにすることをお勧めします。
また生理中(貧血状態のため)や妊娠中の人も使用することをお勧めできません。
ヘナで白髪染めをした後はどうするといいのか
ヘナで白髪染めをした後はしっかり乾かさなければ衣服や枕に色がついてしまうことがあるので、数日は注意が必要です。
また雨などで髪が濡れた時にも色が落ちる可能性があるので、衣服などに色がつかないように注意が必要になります。
ヘナのメリットとデメリットについて詳しく見てきましたが、天然植物性由来のヘナは正しく使用すると何の問題もなく使用できます。
さらにヘアカラーとは違い、使えば使うほど髪が元気になっていきます。
ぜひ、正しい知識でご自身にあった白髪染めを選び、艶ハリのある髪を楽しみましょう。