CMや美容サイトなど、日常でよく耳にする「キューティクル」。
では、このキューティクルはどのような役割を果たし、良い状態にするとどのようなメリットがあるのかご存知でしょうか。
この記事でキューティクルについて詳しく解説しているので、髪をきれいに保ちたい方や髪のダメージに悩んでいる方はぜひご覧ください。
キューティクルとは
キューティクルとは髪の外層を構成し、保護する部分です。
キューティクルは一度剥がれると自然には再生されず、ダメージが蓄積されると髪の健康に影響を及ぼします。
熱や摩擦、紫外線、化学処理などが主なダメージの原因です。
開いたキューティクルはヘアカラーや髪のゴワつき、切れ毛を引き起こす場合があります。
正しいシャンプーや乾かし方、紫外線対策、健康的な生活習慣がダメージを防ぐ手助けになります。
さらに、効果的なシャンプーやトリートメント、ヘアオイルの使用によってキューティクルの補修が促進されます。
髪の構造
髪の毛は3層構造になっています。
内側からメデュラ、コルテックス、キューティクルで構成され、髪を保護しているのです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
メデュラ
髪の最も中心部に位置するメデュラは、柔らかいタンパク質でできた多孔質構造です。
ダメージを受けるとその割合も上昇しますが、メデュラの役割は完全には解明されていません。
動物の毛の場合については、膨潤や収縮時の緩衝スペースや断熱効果に関与していると考えられています。
コルテックス
髪の内側に位置するコルテックスは、髪の85~90%を構成する繊維状の束とその周りの構造でできています。
この部分のタンパク質や脂質、水分のバランスが髪の柔軟性や太さに影響を与えるのです。
また、メラニン色素も主にここに含まれ、髪の色を決定します。
キューティクル
髪の外壁に位置するキューティクルは、半透明のうろこ状の層が平たく重なり、髪を保護する場所です。
キューティクルは水分の通り道としての役割を持ちますが、外部からのダメージによって剥がれる場合があり、毛先に向かうほど枚数が少なくなっています。
キューティクル同士の境目には細胞膜複合体(CMC)が存在し、そこに18-メチルエイコサン酸(MEA)がありますが、髪全体に対して0.1%未満しか含まれないMEAは髪のツヤや手触りを左右するのです。
キューティクルは、髪の健康と美しさに大きな影響を持つ重要な要素と言えるでしょう。
キューティクルは一度剥がれ落ちると自然には復活しない
キューティクルは髪の保護層ですが、一度損傷して剥がれ落ちてしまうと二度と復活はしません。
そもそも髪の細胞は死滅細胞のため、治癒能力がありません。
したがって、剥がれ落ちたキューティクルを復活させる方法としては、傷んだ部分を切り落とし、髪が生えてくるのを待つしかないのです。
そのため、キューティクルを良い状態に保つことは非常に重要と言えます。
キューティクルへのダメージとなる主な原因
キューティクルへのダメージとなる原因を知っておかなければ、思いがけない理由でダメージを受けてしまうかもしれません。
ここでは、キューティクルにダメージを与える5つの要因について説明しますので、キューティクルを守るためにも理解を深めておきましょう。
熱
キューティクルへのダメージとなる主な原因として挙げられるのが、熱です。
ドライヤーやヘアアイロンの過度な使用はキューティクルを開き、剥がれさせる可能性があります。
ドライヤー使用時には同じ箇所に熱風を当て続けずに、ドライヤーを振りながら乾かすことで髪の温度上昇を防げるでしょう。
ヘアアイロンは、使用時間を短くすることでダメージを軽減できます。
ヘアアイロン使用前に洗い流さないトリートメントをつけて髪を保護する方法も効果的です。
摩擦
日常的なシャンプーやタオルドライ、ブラッシングなどで髪を摩擦してしまうと、キューティクルを傷つける可能性があります。
とくに、濡れた髪はキューティクルが浮いているため摩擦の刺激を受けやすく、注意が必要です。
シャンプー時に強く擦って洗うことや、髪をくしゃくしゃにしながら乾かすことは、摩擦を引き起こすため控えましょう。
紫外線
紫外線も髪にダメージをもたらす要因とされています。
髪のキューティクルは紫外線で剥がれやすくなるため、屋外での活動時は髪用の日焼け止めや帽子、日傘の使用が重要です。
加えて、日焼けを受けた後はその日のうちにトリートメントでケアをすることをおすすめします。
紫外線から髪を守ることで、キューティクルの健康を保ちましょう。
高頻度のパーマやカラー
パーマやカラーはキューティクルを開いて薬剤を入れるため、頻繁に繰り返すとキューティクルが剥がれやすくなります。
そのため、パーマやカラーの頻度はできるだけ落とした上で、施術後はキューティクルを保護するトリートメントを使い、丁寧にケアしましょう。
濡れた髪の放置
髪が濡れるとキューティクルが開き、そのまま放置するとダメージを受けやすい状態になります。
長時間キューティクルが開いたままだと髪の水分やタンパク質が失われ、パサつきや枝毛、切れ毛が増える可能性が高まるでしょう。
また、洗った髪を半乾きのままで寝ると枕との摩擦でキューティクルが傷付くため、髪を濡らした後はしっかりと乾かすことが大切です。
開いたキューティクルを放置して起こること
開いたキューティクルの放置は、髪の状態を損なう行為です。
では、キューティクルが開くとどのようなことが起こるのでしょうか。
主な3つの結果について、詳しく見ていきましょう。
ヘアカラー(白髪染め)の色持ちが悪くなる
ヘアカラーや白髪染めをした後に開いたキューティクルを放置すると、シャンプーごとに色素が流れ出てしまい、色持ちが悪くなるでしょう。
キューティクルが開いた状態では、水分や栄養分とともに色素も流れ出てしまいます。
また、気温の高い日や運動などで汗をかくと、色素が服に付着する可能性もあるのです。
髪がゴワゴワする
キューティクルが開いたまま放置されると、髪が引っかかりやすくなったり切れやすくなったりします。
その結果、ウロコが逆立ったような状態となることで、髪の表面がゴワゴワとした手触りに変わってしまうのです。
枝毛や切れ毛が増えやすくなる
キューティクルが開いたまま放置されると髪の水分は蒸発、栄養は不足して髪が弱くなります。
この状態では髪が切れたり裂けたりするため、枝毛や切れ毛が増えるのです。
枝毛や切れ毛があると髪は広がりやすくなり、まとまりがなくなってしまうでしょう。
キューティクルは開いただけであれば補修できる
開いたキューティクルを放置するとさまざまな問題が生じますが、単にキューティクルが開いただけである場合、補修することができます。
キューティクルが開いてしまった髪も、トリートメントで栄養を補給するなど、適切なケアをすることで修復が期待できるでしょう。
日常のケアとサロンでの専門的なトリートメントを組み合わせるのがおすすめです。
キューティクルへのダメージを防ぐ方法
キューティクルにダメージが入ると髪に悪影響があることは説明しましたが、ダメージを防ぐ方法はないのでしょうか。
ここでは、キューティクルへのダメージを防ぐ方法を7つ紹介します。
できるだけすべて実践し、髪の良い状態を保ちましょう。
正しい方法でシャンプーする
シャンプーを始める前に、髪をしっかりとすすぎましょう。
その際、髪を濡らすとキューティクルが開く性質を考慮し、強い力で擦るのは避けて優しく洗うことを心掛けます。
摩擦を軽減するため、シャンプーは手のひらで泡立ててから髪に乗せ、髪の根元から地肌を揉みこむように洗いましょう。
このようにシャンプーをすると、汚れを取り除きながらもキューティクルへのダメージを最小限に抑えられます。
濡れた髪はすぐに乾かす
濡れた髪はキューティクルが開いており、水分やたんぱく質が流れ出てしまいます。
お風呂上がりにはできるだけ早く髪を乾かすよう心掛けましょう。
最初にタオルでしっかりと水分を拭き取ることが大切です。
ドライヤーを使用する際は、温風を均一に当て、根元から乾かしましょう。
風を下から上に当てるとキューティクルが開きやすくなるため、上から下へ向けて乾かすことも大切です。
ドライヤーの最後には冷風を使い、髪のキューティクルを閉じて仕上げることを忘れないようにしましょう。
ヘアカラー(白髪染め)やパーマの頻度を減らす
ヘアカラーやパーマは髪のおしゃれを楽しむ方法ですが、使用する薬剤がキューティクルを傷付け、髪が傷む原因となります。
高頻度でこれらを施すと、キューティクルがダメージを受ける可能性が高まるのです。
したがって、髪の状態を保つためにはカラーやパーマの頻度を減らすことが重要と言えます。
過度な処理を避け、髪に十分な休息を与えてキューティクルへのダメージを軽減しましょう。
頻度を減らすためにも、色落ちしないものを使うことが重要になります。
こちらの記事では白髪染めについて、色落ちしにくい白髪染めを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

髪に優しいヘアカラー(白髪染め)を選ぶ
白髪染めの中には1剤と2剤を混ぜるタイプのものがあり、これには多くの化学物質が含まれています。
中でもアルカリ剤は髪のキューティクルを開くために使用される成分で、髪にダメージを与える要因となるのです。
「ノンジアミン」や「ノンアルカリ」と表示されているものを選ぶことで、比較的ダメージを抑えられるでしょう。
また、自然由来の成分を含む商品も選択肢として適しています。
ただし、他の化学物質にも注意が必要であり、髪を傷めずに白髪染めを楽しみたい場合は成分表や商品の説明をよく読み、髪の状態に合った優しい商品を選びましょう。
ドライヤーやヘアアイロンを高温で使用しない
180度以上の温度はキューティクルを開き、髪をパサつかせ、カラーも早く抜ける原因となります。
そのためドライヤーやヘアアイロンは140度以下の設定がおすすめです。
また、使用する際は髪の生え際から毛先に向かって使いましょう。
紫外線対策をしっかりと行う
紫外線はキューティクルを傷つけ、髪を傷めます。
お肌のケア同様、髪にも紫外線対策が必要です。
UVスプレーやヘアケア剤、帽子などを使用して紫外線から髪を保護しましょう。
生活習慣を見直す
髪の健康には良質な睡眠とストレスの管理が大切です。
充分な睡眠は髪のダメージ修復や成長ホルモンの活性化に役立ちます。
一方で、ストレスは髪の血液循環を妨げ、酸素や栄養の供給を阻害するのです。
こうした要因によって髪がダメージを受ける可能性があります。
健康な髪を保つために、質の高い睡眠とストレス解消に努めましょう。
キューティクル補修を促進するおすすめの方法
ダメージによって開いてしまったキューティクルは、ケアをすれば補修が可能です。
ここでは、キューティクルを補修する主な方法を3つ紹介します。
それぞれが効果的な方法ですので、ご自身に合う方法を探しましょう。
効果的なシャンプー・トリートメントを使用する
キューティクル補修には、適切なシャンプーやトリートメントの選択が重要です。
ダメージを受けた髪のキューティクルを保護し、艶のある健康的な髪に育てるために質の良い製品を選びましょう。
これに加えて、紫外線から髪を守る効果のあるアイテムも選択肢になります。
日常的なケアとして質の良いシャンプーやトリートメントを取り入れ、髪と頭皮の状態を改善しましょう。
こちらの記事では、キューティクルに最もダメージを与える「カラー直後」におすすめのシャンプーを紹介しています。
シャンプーの選び方も解説していますので、ぜひご覧ください。

ハーブトリートメントでワンランク上のケアをする
キューティクル補修には、ハーブトリートメントが非常に効果的です。
私がおすすめする「木木と」という製品の透明カラーであれば、髪の色を変えずにハーブの力で健康な髪を促進してハリやツヤを保てます。
厳選されたハーブのエネルギーと最新テクノロジーを組み合わせた製品で、ローソニア被膜によって優れたトリートメント効果を発揮するだけでなく、ノンジアミンでもあるため頭皮に負担なく使用可能です。
さらに、コラーゲンも配合されているため、髪に潤いを与えてくれます。
お好みのカラー後に使用すると髪色が長持ちするので、白髪染めだけでなく、ヘアカラーの使用後にもおすすめです。

ヘアオイルで保湿する
トリートメントはダメージを補修するのに対し、ヘアオイルは髪をコーティングして摩擦や紫外線から防御する役割があります。
そのため、髪の乾燥を防いだり、ツヤやしなやかさを保ったりできるでしょう。
さらに、ヘアオイルは保湿に限らず、スタイリングにも役立ちます。
まとめ
髪の美しさを保つためには、キューティクルのケアが重要です。
熱や摩擦、紫外線などのダメージ要因から髪を守り、開いたキューティクルを補修する方法を解説しました。
この記事で紹介した方法を組み合わせて実践することで美しい髪を保ち、パサつきやダメージを抑えられます。
髪を守りながら、自信と魅力を引き出すために、日常のケアを大切にしましょう。