最近はオーガニックへの関心が高まっており、白髪染めも例外ではありません。
しかしオーガニックカラーといっても、「なんとなく体にいいんだろう」といった曖昧な認識の人がほとんどです。
オーガニックカラーにはメリットも多くありますが、デメリットも存在します。
この記事では美容師の観点から「オーガニックカラー」について詳しく解説していきます。
オーガニックカラーの白髪染めとは?
オーガニック成分が配合された白髪染めのことです。
自然由来の成分が頭皮や髪へのダメージをケアしてくれます。
しかし含まれている成分が全て自然由来とは限らないので注意が必要です。
順を追って解説していきます。
そもそもオーガニックとは
オーガニック(organic)には様々な意味がありますが、一般的には「有機」という意味で使われることが多いです。
化学的な物質を使用せずに育てられた農作物などに用いられることがあるため、食品を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
白髪染めにもオーガニックの商品はあり、オーガニックへの関心が高い人たちに注目されています。
オーガニックカラーの定義
実は日本において、オーガニックカラーの定義ははっきりと定められていません。
極端な話をしてしまえば「1%」でもオーガニック成分が含まれていれば「オーガニックカラー」となってしまいます。
そのため人体への影響が少ない成分で作られている白髪染めを探している方にとっては、求めているものと異なる商品の可能性があります。
オーガニックカラーと一般的なヘアカラーの違い
オーガニックカラーとしての明確な定義はないと説明しましたが、基本的にオーガニックカラーの白髪染めは一般的な白髪染めに比べて、髪や頭皮に優しい成分が含まれているので、髪に潤いや艶が出やすく、白髪染め特有のツンとした匂いも抑えられたものになっています。
しかし一般的な白髪染めよりも価格が高い傾向にあるため、「ちょっと良い白髪染め」くらいの認識が一番適しているかもしれません。
オーガニックカラーとヘナは違うの?
オーガニックカラーの白髪染めというと「ヘナ」を思い浮かべる人も多いですが、正確には異なるものです。
ヘナカラーはヘナの葉を主成分とした白髪染めで、髪を染める仕組み自体が違います。
またオーガニックカラーの中にはジアミンというアレルギー成分を含むものもありますが、ヘナなどのノンジアミンカラーには基本的に含まれていません。
オーガニックカラーで白髪はしっかり染まる?
一般的な白髪染めと染める仕組みは変わらないので、しっかりと染めることができます。
オーガニック成分を含んでいる分、髪へのダメージが軽減されているため、色がしっかりと入るまで放置することができます。
そのため一般的な白髪染めよりもしっかりと染めることができると言えるでしょう。
オーガニックカラーの色持ちは悪くないのか
オーガニックというキーワードから色持ちの悪さを連想されることが多いですが、前述したとおり一般的な白髪染めと仕組みは変わらないため、色持ちに関しても大きな差はありません。
一般的な白髪染めと変わらず、1〜2ヶ月ほど色が持ちます。
色持ちを良くする方法などをまとめた記事があるのでこちらも併せてご覧下さい。
オーガニックカラーの白髪染めはこんな人におすすめ
白髪をキレイに染めたいけれど、さまざまな悩みが付きまとう白髪染め。
オーガニックカラーの白髪染めを使えば悩みを解決することができるかもしれません。
代表的な白髪染めの悩みを例に解説していきます。
いつもカラーをする際、頭皮がヒリヒリして痛い
ヘアカラーに含まれる過酸化水素という成分が原因で、頭皮に炎症が起きている状態です。
オーガニックカラーは刺激やアレルギーとなる成分をかなり低減しているので、頭皮の炎症が軽減されます。
しかし頭皮を掻いたり、日焼けなどによって頭皮が荒れているとオーガニックカラーといえど、痛みを感じてしまうので注意してください。
白髪染めのツンとした匂いが苦手
オーガニックカラーを使用した方から「嫌な匂いがしない」という感想をよく聞きます。
一般的なヘアカラーのアルカリ剤という成分に含まれるアンモニアが、白髪染め特有のツンとした匂いの原因です。
オーガニックカラーの多くは、アンモニアフリーなので白髪染め中はもちろん、染めた後の数日も匂いがすることはありません。
白髪染めの匂い対策や匂いの少ない白髪染めに関してはこちらをご覧ください。
繰り返しのカラーで髪が傷んでしまっている
オーガニックカラーと一般的な白髪染めの仕組みは同じであるため、髪のダメージが少なくなるわけではありません。
しかし含まれているオーガニック成分が傷んだ髪を補修してくれるため、オーガニックカラーの方がダメージの影響は少なくなります。
髪がパサついている
オーガニック成分が多く含まれていることで、髪のパサつきを抑制する効果が期待できます。
髪外側を保護するとともに、内側に浸透することで、髪に潤いを与えてくれる成分が多く含まれています。
髪にハリやコシがなくなってきた
オーガニックカラーの中には髪を強くしてハリやコシを与えてくれる成分が含まれています。
繰り返し使用することで髪の強度が増し、色持ちがよくなることにも繋がってきます。
継続することで効果が現れるものもあるので、髪のハリやコシがなくなってきたと感じたら、早めにオーガニックカラーへと切り替えることをおすすめします。
自然な色味に仕上げたい
色がはっきりと出るのではなく、ほんのり色づく感じで仕上がるため、白髪染めをした際の違和感が少なくなります。
自然な色味で髪色を染めたい人はオーガニックカラーを使用してみてください。
オーガニックカラーのデメリットや注意点
オーガニックカラーのメリットについて解説してきましたが、冒頭でもお話しした通り、デメリットや注意すべき点もあります。
それらを知った上で、オーガニックカラーを使用すべきかどうか検討しましょう。
明るく仕上げることはできない
オーガニックカラーは成分の都合上、キューティクルを開く力が弱いため、ハイトーンにすることが難しいです。
もしハイトーンカラーを希望する場合はブリーチ(脱色)する必要があるので、髪へのダメージがかなり深刻になってしまいます。
ハイライトを細かく入れて白髪を目立たせないように仕上げる「白髪ぼかしハイライト」のような方法であれば、ブリーチのダメージも少なく抑えて明るい髪色を楽しむことができます。
白髪ぼかしハイライトについてまとめた記事を参考にしてみてください。
扱っている美容院が少ない
オーガニックカラーの需要は高まってきているものの、全ての美容院で取り扱っているわけではありません。
中にはオーガニックカラー専門店もあるのですが、まだまだ数は少ないです。
そのためオーガニックへの関心が高い方は、自分で良い商品を見つけてセルフカラーをしているケースが多いです。
一般的なカラーと比べて高い傾向がある
美容院でもセルフでも言えることですが、オーガニック成分を含んでいる分、価格が高い傾向にあります。
そのため美容院の費用を削減しようとセルフカラーにしている方は選択しづらいかもしれません。
しかし継続することで蓄積されるダメージなどを考慮すれば、オーガニックカラーにする価値は十分にあります。
成分を確認してから使用する
オーガニックカラーといってもオーガニック成分が含まれているだけで、一般的な白髪染めと同じものもあると解説してきました。
そのため選んだカラー剤がご自身の求めているものかしっかりと確認し購入しましょう。
オーガニックな白髪染めを探している人
ここまでの解説をご覧いただいた多くの方が、オーガニックカラーについてイメージと違ったと感じているかと思います。
では本来求めているであろうオーガニックの白髪染めはどう探すべきか紹介します。
一般的にオーガニック・自然由来・天然素材の白髪染めを探している場合は「ヘナ」や「ハーブカラー」に辿り着くケースが多いです。
ただし天然成分が多いほど、従来のカラー剤のようにキレイに発色させることは難しいので注意が必要です。
人気の髪色
オーガニックカラーは自然な髪色に仕上げることができ、カラーバリエーションも豊富です。
従来のカラー剤であれば髪への負担が大きく敬遠されていたものも、オーガニックカラーで再現することで、ダメージを抑えながら幅広いカラーを楽しむことができます。
自然な色合いの中でも、茶色系や赤みを帯びた色がおすすめです。
アッシュ系
アッシュ系のカラーは、少しグレーがかった色味で、大人っぽく落ち着いた印象を与えます。
アッシュカラーはブリーチなどで脱色することでキレイに発色させることができます。
そのため白髪との相性もよく人気の色となっています。
オレンジ系
オレンジ系のカラーは人気のカラーの1つですが、明るく人工的な印象が強くなってしまう傾向があります。
オーガニックカラーであれば自然な色味を出しやすいため、オレンジ系もキレイに仕上げることができるためおすすめです。
前述したとおりオーガニックカラーは茶色や赤みを帯びた色と相性がいいので、オレンジ系のカラーを希望している方はぜひお試しください。
ピンク系
オレンジ系同様、暖色であるピンク系もオーガニックカラーとの相性は良いです。
最近はパステルカラーが流行っており、淡いピンク色も人気があります。
オーガニックカラーでもこのような薄いピンク色を出すことができます。
おすすめの白髪染め
オーガニックに関心のある人は、オーガニックカラーの中でもより成分が体に優しいものをおすすめします。
人気のカラーで紹介した色もこれから紹介する白髪染めなら楽しむことができるのでチェックしてみてください。
HANA ORGANIC カラーコンディショナー
ヘナやベニバナなどの植物エキスが含まれており、髪を柔らかくしながら、保湿効果や頭皮のトラブルを抑える効果があります。
髪の毛の色味を整えるための天然色素や、色落ちを防止するための保護成分も含まれているので、仕上がりもキレイな印象です。
カラーバリエーションは2色ですが、ラインナップにアッシュ系でも人気の高い「アッシュブラン」があるので、アッシュカラーを楽しむことができます。
ウィンライフ 木木と
髪のトリートメントと頭皮のクレンジング効果のあるヘナカラーです。
体に害のない成分で作られており、従来のヘナカラーが敬遠されるデメリットを開発技術と品質管理で改良した商品です。
従来ヘナカラーというと思った色に染まらなかったり、カラーバリエーションが少ないなどのデメリットがありました。
木木とは7色の豊富なカラーバリエーションとイメージ通りのヘアカラーに仕上げることができます。
COLOURME Organic オリジナルハーブカラー
人工的な化学物質を使用せずに、天然のハーブエキスを使用して髪を染めることができます。
ヘアダメージを最小限に抑え、髪を健康的に保つために必要な栄養素が含まれており、よりオーガニックな商品となっています。
まとめ
一般的にオーガニックカラーと呼ばれるものがイメージされているものと違うことがお分かりいただけましたか?
オーガニック製品の白髪染めに興味がある人はオーガニックカラーとオーガニックの白髪染めの違いを良く理解し、自分が望んでいる商品かしっかりと確認しましょう。
おすすめとして紹介した商品も参考にしてみてください。