白髪染めとパーマを一緒にすることで与える影響や注意点について知っていますか?
白髪染めとパーマは一緒にできれば楽ですが、ダメージを受けたり仕上がりのキレイさが損なわれたりするリスクが高く、美容室で施術をお願いすると断られる場合もあります。
今回は、同時施術が髪に与える影響と、同時施術の際におすすめのアイテムを紹介していくので、白髪染めとパーマを一緒にしたい方はぜひ参考にしてください。
白髪染めとパーマを一緒にしても大丈夫?
結論から言うと、白髪染めとパーマを両方することは可能です。
ただし、いくつか気を付けなければならない点があります。
詳細は後述しますが、白髪染めとパーマの薬剤は髪や頭皮に少なからず影響を与えるため、同時に行うことは避けた方が良いです。
美容室での施術の場合、ダメージを考慮してどちらかに絞った方が良いと言われる場合もあります。
同時の施術を考えている方は、まずは白髪染めとパーマを一緒にすることでどのような影響があるのかを知っておきましょう。
白髪染めとパーマを同日にするときのリスク
白髪染めとパーマを同日にするのは、おすすめしません。
主な理由は、以下の2つです。
- カラーやパーマが薬剤の影響を受けてキレイに仕上がらない場合がある
- 髪や頭皮に大きなダメージがかかる
白髪染めもパーマも強力な薬剤であり、どちらを先にしても後に入れる薬剤がうまく浸透せず、カラーやパーマが落ちやすくなる可能性が高まります。
また、白髪染めにもパーマ剤にも共通して配合されている成分が髪や頭皮にダメージを与えることも問題です。
髪や頭皮に大きな負担がかかる
白髪染めとパーマの薬剤には共通して「アルカリ剤」と「過酸化水素」が含まれていることがほとんどです。
アルカリ剤はキューティクルをこじ開けて薬剤を浸透させる働きがあり、浸透後は髪の内部に2〜4週間程度とどまります。
その間に開いたままのキューティクルから髪に必要な潤いが流れ出ると、髪がパサついてしまうのです。
また、過酸化水素はアルカリ剤によってアルカリ性に傾いた髪を酸化させるため、髪にさらなるダメージを与えたり、メラニン色素を破壊して白髪を増やしたりする可能性が高まります。
これらの理由から、白髪染めとパーマ剤を同時に使用すると髪が傷んで切れたり縮れたりする恐れがあるので、注意が必要です。
「医薬部外品」の同時利用はNG、「化粧品」ならOK
白髪染めとパーマ剤のどちらも医薬部外品であれば、施術は同時にできません。
髪や頭皮への刺激が非常に強いことから、薬機法により、医薬部外品を2種類以上同時に使用することは禁止されています。
ただし、これは医薬部外品に限った話であり、化粧品との併用は禁止されていません。
最近では「コスメ系パーマ」という化粧品扱いのパーマ剤も販売されているため、医薬部外品の白髪染めと同時に施術してくれる美容室もあるようです。
なお、2種類の医薬部外品を使用することに比べると負担は軽いですが、髪や頭皮にダメージを与えることには変わりないので注意しましょう。
白髪染めとパーマは美容室で?セルフで?
白髪染めとパーマを両方行うこと自体は可能ですが、美容室でやってもらう必要があると認識している方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、できることなら家で全部済ませたいと考える方も多いのではないでしょうか。
実は、市販品を使用すればセルフで白髪染めとパーマの両方ができます。
ここからは、美容室とセルフ、それぞれのメリットとデメリットについて説明していきます。
美容室で施術するメリット・デメリット
美容室で白髪染めとパーマの両方を行うメリットは、美容師に相談できること。
自分の髪の状態を見て薬剤選びや置き時間を調節してくれるので安心です。
また、髪や頭皮へのダメージケアについてアドバイスをくれる場合もあります。
デメリットは、セルフに比べて価格が高いことと通うのに手間がかかることです。
後ほど詳しく説明しますが、白髪染めとパーマを別日に行う場合は短期間で2回通わなくてはならないので、忙しい方は面倒に感じるかもしれません。
セルフで行うメリット・デメリット
セルフで行うメリットは、価格が抑えられることと自分の好きなタイミングで始められること。
美容室に通う手間が省けるので、忙しい方にはおすすめです。
市販品のパーマ剤は化粧品扱いのものも多いので、医薬部外品の白髪染めとの同時利用も問題ありません。
デメリットは、市販の薬剤は濃度が高いものが多いためダメージにつながりやすいという点。
プロに相談できないので、自己判断で行うのはリスキーです。
どうしてもセルフで両方やりたい場合は、片方の施術後1~3週間空けてからもう片方を行いましょう。
それによって、髪に残留したアルカリが一度抜けて傷みやすさが軽減されます。
白髪染めとパーマを同時に行うときの注意点
続いては、白髪染めとパーマを同時にするときの注意点について解説します。
できるだけ髪へのダメージを少なく抑えられる方法や、白髪染めとパーマがキレイに仕上がりやすくなる順番などを紹介するので、今から同時施術を考えている方は要チェックです。
白髪染めとパーマの順番は?
白髪染めとパーマを同時に行う場合、パーマを先にすることがおすすめです。
白髪染めを先に行うと、パーマ剤に含まれる過酸化水素のせいで色が落ちやすくなります。
パーマを先にすると、白髪染めの過酸化水素のせいでパーマが緩まる心配もありますが、髪がある程度傷んでパーマ剤が浸透しやすくなることで、パーマ剤を強力にする必要がなくなります。
また、先にパーマをかけることで、白髪染めの染料がパーマ剤に含まれるアルカリの流出を防ぐので、退色しにくいという理由もあります。
同じ日の施術は避ける
髪へのダメージを考慮すると、白髪染めとパーマは同じ日にしない方が良いです。
髪の内部に浸透したアルカリ剤は最低でも1週間、長くて2~3週間ほどで髪から抜けていくため、日を空けての施術であれば後に使う薬剤の浸透や髪の水分流出への影響が少なくて済みます。
また、施術間に日数を設けるのであれば、白髪染めから先にしても問題ありません。
カラー後、2~3週経てばアルカリ剤が抜けて色素が髪に定着するので、パーマをかけても仕上がりに大きな影響を与えません。
カラーはリタッチだけにする
白髪染めとパーマを同日に行う場合は、白髪染めを根元のみにリタッチすることでダメージを最小限に抑えられます。
パーマ剤は毛先まで薬剤を付けますが、白髪染めを根元のみに付けることで毛先部分は二重に薬剤を付けずに済むため、ダメージを最小限にできるのです。
ただし、毛先の色落ちが気になる方は毛先も染める必要があるため、リタッチだけだと対応できません。
リタッチについては以下の記事にまとめています。
パーマを根元までかけない
パーマをかける場合、基本的に中間から毛先にかけていくため、その部分に白髪染めが付いていなければ同時に施術しても問題ありません。
パーマ剤による髪の傷みは回避できませんが、傷んだ部分の小まめなカットやホームケアがしっかりできれば、ダメージ部分を目立たせなくできます。
もし白髪染めとパーマ剤を同じ場所に付けることになった場合は、パーマを緩ませないために洗浄力の強すぎないシャンプーを使用したり、ドライヤーで熱を当て過ぎたりしないよう気を付けましょう。
髪に負担がかからないようにケアする
白髪染めとパーマを両方行うと薬剤を多く使用するため、髪に相当な負担がかかります。
そのため、毎日のホームケアは非常に大切です。
少しでも髪の潤いや栄養を損なわないように、保湿力の高いトリートメントや頭皮を保護するオイルなどを使用しましょう。
美容室で同時施術する場合は、メニューにトリートメントを組み込むことをおすすめします。
2剤式の白髪染めを使わない
2剤式の白髪染めは、アルカリ剤を含む1剤と過酸化水素を含む2剤を混ぜ合わせて使うものです。
この2つの成分が髪に大きなダメージを与えるので、アルカリ剤と過酸化水素が配合されていない白髪染めの使用をおすすめします。
配合されていない代表的なアイテムとして、ヘナカラー、カラートリートメント、ヘアマニキュアが挙げられます。
使用前にこれらのアイテムのメリットとデメリットを知っておきましょう。
ヘナカラー
ヘナと呼ばれる植物の染料を使用したヘナカラーであれば、パーマと同時施術しても髪のダメージを軽減することができます。
ヘナにはさまざまな効果があり、そのうちの1つがデトックス効果です。
パーマをかけた後、髪に残った薬剤をヘナの成分が除去してくれるため、パーマ剤による髪の傷みを軽減できます。
またカラー効果に関しましても、ヘナカラーはローソニアと呼ばれる成分が髪のタンパク質と絡むことで着色するため、しっかりと色が入ります。
同時に髪内部の保水力も高めるので、ヘナを使ううちに髪にハリやコシが出ることも期待できるのが大きなメリットです。
ただし、アルカリ剤が配合されていないため髪を明るくする効果はないことと、色素が髪内部にしっかり絡むので、後から通常の白髪染めを使用しても色が変化しにくいことがデメリットとして挙げられます。
おすすめのヘナカラー商品をランキング形式で紹介している記事もぜひご覧ください。
カラートリートメント
カラートリートメントにはアルカリ剤や過酸化水素が含まれないため、髪にかかるダメージが非常に少ないのが特徴です。
さらに、髪の保湿やダメージを補修できる成分が配合されているものも多くあります。
毎日のケアに組み込みやすいので、白髪を徐々に染めつつ、髪のコシやハリ、ツヤを取り戻せるのがメリットです。
トリートメントによって使い方に違いがあるので、パーマと同時に使用する場合は注意書きをよく読んでから使用しましょう。
パーマの前後には数日間使用を控えなければならないものもあるので注意してください。
ヘアマニキュア
髪の表面をカラー剤でコーティングして染めるヘアマニキュアは、髪へのダメージが非常に少ないです。
パーマをかけた後にセルフで使っても、髪に大きな負担をかけずに染められます。
ただし、ヘアマニキュアに使われるタール色素は肌に付いてしまうと落ちにくいため、根元までしっかり染められず、根元の白髪が目立ちやすくなることがデメリットです。
パーマをかける方におすすめの白髪染め3選
最後にパーマと同時に白髪染めを行いたい方へ、おすすめの白髪染めをご紹介いたします。
ここまでに解説してきたポイントを踏まえて、美容師の私からおすすめできるものを3つご用意しましたので、ぜひご覧ください。
木木と
「木木と」は、セルフでできるヘナカラー。
髪や頭皮へのダメージを大きく軽減できるのが特徴です。
ヘナの有効成分であるローソニアが髪内部のタンパク質と絡み合い、白髪をしっかり染めながら髪を丈夫にし、使い続けることでハリとコシのある健康的な髪へと仕上げられます。
また、髪を保湿して柔らかくするコラーゲンも配合されているため、ヘナカラー使用後特有のきしみ感を残さず、指通り滑らかな髪になるのもメリットです。
一般的なヘナカラーは、カラーバリエーションが少ないことがデメリットとして挙げられていましたが、木木とはカラーバリエーションも豊富なので、好きな仕上がりを選べます。
さらにデメリットとしてよく挙げられる「イメージ通りのカラーに仕上がらない」といった点も、徹底した素材管理と人体に無害な染料を使用することで、克服しているまったく新しいヘナカラーです。
ルプルプ エッセンス カラートリートメント
濡れた髪にも乾いた髪にも使えるヘアカラートリートメントです。
イオンパワー染料のプラスイオンが髪の表面のマイナスイオンに結合するので、美しい発色が期待できます。
さらに、分子量が小さなHC染料によってキューティクルの隙間をくぐって浸透するため、髪表面がしっかり染まります。
色落ちを防いでツヤを保持する成分や、キューティクルを保護する成分も入っているので、染めたての美しさを継続しやすいのもポイントです。
ブローネ ヘアマニキュア
白髪を染めながら、ツヤやハリのある髪へと仕上げるヘアマニキュアです。
髪の表面に穏やかに浸透することで、繰り返し使用しても髪を傷めずにキレイな発色が叶えられます。
また、傷んだ髪内部の繊維を膨らませて空洞を補修し、ツヤやハリ・コシのある健康的な髪に見えるのも特徴です。
色持ちは3週間程度が目安で、洗髪のたびにだんだんと元の髪色に戻っていきます。
まとめ
白髪染めとパーマを両方することで与える影響や、同時に行うときの注意点について解説しました。
白髪も染めたいし、パーマをかけておしゃれに仕上げたいと思う方は多いです。
今回の記事でお伝えした注意点やおすすめアイテムを参考にして、髪に負担をかけずキレイな仕上がりを目指してみてください。