白髪染めはいまいち肌に合わないし、使い続けた時の髪の毛へのダメージが気になる。
そんな悩みを持っている方が行き着く選択肢にヘアマニキュアがあります。
白髪染めとは異なった方法で髪に色をつけるので、髪や頭皮にやさしい白髪染めと言われているのです。
しかし、ヘアマニキュアに向いている人がいれば、向いていない人もいます。
この記事では、ヘアマニキュアで白髪染めをするメリットやデメリットについて解説していきます。
ヘアマニキュアはどんな人に向いている?
髪と頭皮に優しいと言われているヘアマニキュアですが、白髪染めとはなにが違うのでしょうか。
一番の違いは、染め方になります。
白髪染めの染め方 | 薬剤の力で髪の内部に化学反応を起こして色を染める |
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ヘアマニキュアの染め方 | 染料で髪の表面を塗布(コーティング)をする |
爪に施すマニキュアと同様に、ヘアマニキュアは髪の表面に塗るマニキュアだと考えていただければと良いと思います。
では、そんなヘアマニキュアはどのような人に向いているのか見ていきましょう。
白髪染めが髪や頭皮に悪いと悩む人
白髪染めをやめて、ヘアマニキュアに移行をする人の大半がこの悩みを抱えています。
たしかにヘアマニキュアは成分と染め方が白髪染めとは異なり、髪の表面をコーティングするだけなので髪への負担が少ないですが、全く髪へのダメージがない訳ではありません。
ヘアマニキュアに含まれているベンジルアルコール・エタノールとコーティング剤は髪を多少なりとも傷めてしまいます。
もちろん一般的な白髪染めよりは傷みにくいですが、全く傷まないという訳ではないので注意が必要です。
頭皮や髪に優しい白髪染めを選ぶことで、髪と頭皮の健康を維持することができます。
髪や頭皮にやさしい白髪染めをお探しの方は、下記の記事を参考にしてみてください。
白髪染めをやめて、地毛に移行をしたい人
白髪染めをきっぱりとやめて地毛に戻したい人にもヘアマニキュアは役に立ちます。
地毛に戻す時の挫折ポイントは地毛に戻し始めて2〜3ヶ月目だと言われています。
そのタイミングに、白髪と黒髪の境目をぼかすことで、完全に地毛に戻るまでのつなぎにすることができます。
短期間で色を変えたい人
ヘアマニキュアは白髪染めと比べ、色落ちが早いので短期間で色を変えることができます。
白髪染めは一度染めたら1〜2ヶ月ほど色持ちしますが、ヘアマニキュアは2〜4週間ほどで色が落ちます。
イベントの時に髪色を変えたい場合など、期間限定で色染めをしたい方にはヘアマニキュアが向いていると言えます。
ヘアマニキュアのメリット・デメリット
ここまでヘアマニキュアはどのような人に向いているのか解説してきました。
では白髪染めから実際にヘアマニキュアへ切り替えることで、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
ヘアマニキュアのメリット
一般的な白髪染めとは仕組みが違うヘアマニキュアですが、それによるメリットはいくつかあります。
使用している人たちの声や、美容師の観点から紹介していきます。
続けても髪と頭皮へのダメージが少ない
白髪染めが髪や頭皮にダメージがあると言われている理由は、アルカリ剤や過酸化水素水、ジアミンなどの非常に強い成分含まれているからです。
そのおかげで髪の内部に色素を定着させることができるのですが、前述したとおり髪の表面にコーティングするヘアマニキュアには不要なため含まれていません。
また、ヘアマニキュアは肌や頭皮に着くと色がついてしまうので、肌から数ミリ空けて塗布します。
そのため薬品が頭皮に付着せず、ダメージを抑えることができるのです。
髪にハリとツヤが出る
ヘアマニキュアの特徴として、髪の毛にハリとツヤが良くなることが挙げられます。
キューティクルを開かずに染めることができるので、髪が傷みにくくツヤがある仕上がりになります。
そして、ヘアマニキュアの成分の一つにコーティング剤というのがあります。
コーティング剤というのは、コンディショナーなどにも含まれているものになり、実際にヘアマニキュアをしたお客様からも「髪にハリが感じられる」「手触りが良くさらさら感がある」という声をいただくことが多いです。
アレルギー体質の人でも安心して使える
ヘアマニキュアは頭皮から離して塗布をするため、アレルギー体質の人であっても安心して使うことができます。
アレルギーを引き起こすことで有名なジアミンが含まれていないことも、アレルギー体質や敏感肌の人が使用できる大きな理由です。
一度、白髪染めを使って肌に合わなかったという方でも使うことができるのは、ヘアマニキュアの魅力だと思います。
ヘアマニキュアのデメリット
メリットでツヤやハリがでるのはコーティング剤が影響していると紹介しました。
ただ、このコーティング剤で肌触りが良いのは最初の染めたての時の話になります。
実はコーティング剤の特徴として、疎水性で水に溶けにくくなるという性質があり、
色落ちの過程で剥がれていったコーティング剤の一部が髪に残って固まってしまうのです。
コーティング剤残りが蓄積してしまうと、髪のパサツキ引き起こしてしまう場合があります。
セルフで染めるのがとてもむずかしい
ヘアマニキュアは頭皮につかないから敏感肌の人でも安心できると紹介してきました。
しかし、根元から数ミリの間隔をあけて、生え際、襟足などにも均等に塗るというのをセルフで行うのは、慣れと技術が必要です。
実際にやってみると色ムラは出るし、地肌について黒くなってしまうことも大いにあります。
そのため初めてのヘアマニキュアは美容室で施してもらうことがおすすめです。
ヘアマニキュアのセルフでの染め方は後述するので、セルフでの染め方が気になる方はそちらを参考にしてみて下さい。
色が落ちやすいので洋服への色が移るかも
使用する製品や環境にもよるかとは思いますが、シャンプーで落ちるという声もあれば、水や汗、雨でも色が落ちたという声もあります。
色落ちのしやすさはヘアマニキュアの特性として理解をするしかないのですが、ヘアマニキュアを塗布をした最初の数日間は汗をかくような運動を避けた方が良いでしょう。
白い洋服はなるべく着ないようにして、就寝の際にも枕カバーに色移りがしないように、汚れても良いタオルなどで対策しておくことをおすすめします。
地毛の黒髪を明るくすることはできない
ヘアマニキュアには元々の髪色を脱色するような成分は含まれていません。
そのため、元々の髪の色の上にヘアマニキュアの色を乗せていくような形なので、元の髪色よりも明るくすることはできません。
その結果、黒髪はそのままで白髪にだけヘアマニキュアの色が乗り、均一感のない髪の毛になってしまう可能性があります。
ヘアマニキュアの美容院の相場は?
ヘアマニキュアの美容院の相場は5000〜10000円の間で、平均は8000円ほどになります。
ちなみに前述したとおり、ヘアマニキュアの色落ちは白髪染めよりも早く、2〜4週間ほどで色落ちしてきます。
美容院の通う頻度は人それぞれだとは思いますが、白髪染めの変わりとしてヘアマニキュアを考えている場合は、通常の白髪染めよりも時間とお金がかかることを理解しておきましょう。
ヘアマニキュアをセルフで染める時の注意点
ヘアマニキュアをセルフで染める場合はどのようにしたらいいのでしょうか。
難しいといえども、実際にセルフで染めている人がいるのも事実です。
ただし、塗り方が一般的な白髪染めと少々違う点があるので注意が必要です。
パッチテストはしなくて良いって本当?
ヘアマニキュアの塗布方法だったら、パッチテストはしなくても良いのではないかと思われると思います。
結論からお話しますと、アレルギーを引き起こすジアミンが含まれてないヘアマニキュアは、パッチテストが義務化されていません。
しかしながら、セルフで塗布をする時に地肌に着いてしまう可能性があるので、必ずパッチテストは行うようにしてください。
セルフで染める手順と注意点
ここで、個人でヘアマニキュアをする際の注意点を書かせていただきます。
- 事前に新聞紙などを敷き、汚れても良い服を着用します。
- ビニール手袋と薬の準備をします。
- 白髪の目立つ場所からムラなく塗って下さい。
- 塗布終了後は、指定をされている時間放置してください。
- 指定時間放置後、手袋をはめたままシャンプーを念入りに行い、トリートメント(コンディショナー)で仕上げましょう。
- 塗れたままの箇所があると色移りをするので、ドライヤーでしっかりと乾かして終了です。
ヘアマニキュアは色がつくと中々落ちないため、汚れが散った時はすぐに汚れを拭き取って下さい。
事前にコットンにクレンジングジェルを含ませたモノを作っておくと良いでしょう。
またカラー剤を落とすときは、手に塗料が付着してしまうので、手袋をしたまま洗い流すことを推奨していますが、ゴム手袋などは髪を引っ張ってしまう可能性があるので注意しましょう。
ヘアマニキュアで上手に染めるポイント
ヘアマニキュアは美容師でも染めるのが難しく、技術が必要になってきます。
そのため、初めはセルフでやろうとして上手く染まらなくても仕方がないと思います。
以下のことに気をつけて行うことで、少しでも染まり具合は良くしましょう。
- 事前にシャンプーをして、皮脂やコーティング剤を落とす。
- 事前に髪の毛を丁寧に乾かす。
- 乾いた髪に塗布をする。
- 生え際などの細かい部分を塗るために細かいコームを用意する。
皮脂やコーティング剤がある状態では、ヘアマニキュアが上手く染まりません。
上手く染めるためには髪を清潔な状態にして、なおかつ乾かしておく必要があります。
乾かす理由としては、ヘアマニキュアがコームで髪の表面に塗布をしていくという塗布方法ですので、髪がもつれていた場合はキレイに染めることができません。
セルフで染める時はこれらに注意をすれば、良く染めることができるでしょう。
ヘアマニキュア以外でおすすめできる白髪染めをご紹介
ここまでヘアマニキュアのことを解説してきましたがいかがでしたでしょうか?
イメージ通りのものであれば、ヘアマニキュアは最善な選択肢だと言えるでしょう。
最後に「白髪染めが髪や頭皮に悪いからヘアマニキュアに移行を考えていたけど、どうも思っていたのとは違った」という方に、同じように悩みを解消できる別の選択肢をご紹介します。
ヘナ
ヘナは自然由来の成分で染めるので、髪や頭皮にやさしい白髪染めであると言えます。
カラーの仕組みもヘアマニキュアと同じく、髪の表面にコーティングする仕組みです。
また、ヘアマニキュアのように頭皮に着色してしまう恐れがないので、セルフカラーでも難しい技術は必要ありません。
頭皮にたっぷりとつけることで毛穴のクリーニング効果も見込めます。
髪や頭皮が傷つく一般的な白髪染めと異なり、継続することで髪と頭皮が元気になるのはヘナの最大の魅力でしょう。
おすすめのヘナカラーをランキング形式でまとめた記事があるので、ぜひご覧ください。
カラートリートメント
ヘアカラートリートメントは、普通のトリートメントの感覚で使用をすることができて、使用するごとに白髪が目立ちにくくなり、同時に髪のケアもできる製品になります。
また、髪の表面に色をつける染毛料なため、頭皮や髪へのダメージが小さいので安心して使えます。
日常的なホームケアとしても取り入れやすい点が人気な理由です。
ただし、カラートリートメントタイプは徐々に色がついていくので、継続的な使用が必要となります。
ヘアマニキュアやヘナのように、一度で染めてしまうことはできないので注意しましょう。
まとめ
今回は白髪染めをやめてヘアマニキュアを検討している方に向けて、美容師の目線から解説させていただきました。
髪や頭皮のダメージを考えた時にヘアマニキュアは良い選択肢ではありますが、その特性からさまざまなメリットとデメリットがあります。
それらを踏まえて最善の選択ができる参考になれば幸いです。